――あの……。
どうしたの？
――今日はいつもより的確なアドバイスが多くてありがたいんですけど……。なんていうか、もっと変な回答を期待してる自分がいるっていうか、面白みがないというか……。
そうだよね、ごめん。実は…今まで無理に変人を装って、変な答えを言ってたんだ。
――え？ 変人を装って？
悩みの文章の揚げ足をとったり、絶対不可能な解決方法を言ったりして…。“変な人”って思われたほうが、個性的でセンスがあってカッコいいって思ってたんだ…。
――そうだったんですか…。
でも、今日で「最終回」って聞いて、もうそういう偽りの自分でやってても世間の需要がないってわかったし、むしろカッコ悪いことをずっとやってたんじゃないか？って気づいたんだ。だから今日は、素のままの自分でみんなからのお悩みを真面目に回答させてもらおうって思ったんだよ。ごめん。今まで嘘ついてて。
――いやいやいや、そんなこと言わないでください！ 変なことを言うようすけさんが、本当のようすけさんですよね？
違うんだ。必死に変なことを言おうとしてる、一生懸命考えてボケを言っている、普通の人間だよ。
――！ そうだったんですね…。ちょっとびっくりしましたけど、本当のことを話してくれて嬉しかったです…。
読者の方にも、一言いいですか？
――ぜひ、お願いします。
読者のみんな、今まで騙しててごめん。こんな嘘つきな俺に毎月純粋にお悩みを送ってくれてありがとう。ずっと心が痛かった。でもそれも今日でおわり。素直に生きるよ。これからもいろいろ悩みは尽きないかもしれないけど、自分の気持ちに嘘つかずに一緒に乗り越えていこうね。本当にありがとう。
――ありがとうございます、本当の気持ちを喋っていただいて…。
（涙を見せるようすけさん）
――ちょっと泣かないでくださいよ…。こっちも泣きそうになるじゃないですか。ずるいですよ、僕からもありがとうって言わせてください。ようすけさん……約1年間、楽しませてくれてありがとうございました！
ありがとうね。さようなら！
〈約1年間の連載、ありがとうございました！〉
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