そこでロキとメビウスは、ミス・ミニッツを捜すために過去の地球に時間移動するが、そこにはミス・ミニッツだけでなく、ラヴォーナ・レンスレイヤー判事(ググ・バサ・ロー)も潜伏しており、“在り続ける者”と同じオーラを持つ変異体のヴィクター・タイムリー(ジョナサン・メジャース/二役)を確保しようと狙っていた。
また、“在り続ける者”と同じ遺伝子を持つ者は全て抹殺しようと決めたシルヴィも現れ、三つどもえの争奪戦が繰り広げられる。当初、“在り続ける者”を殺害したシルヴィは1982年の地球に向かい、メニューを選択する自由のあるハンバーガー店で働きながら、“普通の生活”を満喫していた。しかし、ロキたちが現れたことで元の生活に引き戻され、再びTVAへの復讐(ふくしゅう)心を燃やす。そして、過去であろうとTVAであろうと出現し、シーズン1で心を通わせたロキと相対する立場としてタイムリーに牙をむく。
シルヴィを演じる英国出身のソフィア・ディ・マルティーノは、オーディションでシルヴィ役をゲット。ただ、実は何の作品で何役のオーディションなのかは知らされていないまま受けていたという。それでも持ち前の演技力でこの役を得た。それまでの彼女は、世界的にはほぼ無名の女優だった。エド・シーランも出演したビートルズが題材の映画「イエスタデイ」(2019年)やベネディクト・カンバーバッチ主演の映画「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」(2021年)などにも出演しているが、いずれもささやかな役どころ。
そこはロキ役を得て一躍スターダムを駆け上がったトム・ヒドルストンや、映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」の主人公役を得た中国系カナダ人のシム・リウと同じで、スターを発掘するのが得意なマーベルらしいキャスティングといえよう。つまり、ソフィアもこの役から一気に世界的な女優に羽ばたく可能性を秘めているということだ。
シルヴィは「ロキ」シーズン2でも物語の鍵を握るキャラクターの1人として“在り続けている”ので、後半の活躍ぶりにも期待したい。
「ロキ」シーズン2は、ディズニープラスで毎週金曜に最新話独占配信中。
◆文=及川静
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