窪田正孝とは何者か?【てれびのスキマ】

2017/07/29 09:11 配信

芸能一般 コラム


彼のもう一つの魅力はその意外性だろう。工業高校出身で、ネジを愛し、構造物が好き。『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」に出演した際は、タモリと延々、工業話に花を咲かせ、ほとんどそれだけでコーナーが終わってしまったほどだ。それだけなら、ちょっと変わった趣向があるなあというくらいだが、そうではない。脱げば筋肉隆々の肉体があらわれ、ダンスも得意なスポーツマン。その役柄ゆえ、内向きな人間だと思われがちだが、実はアクティブなタイプなのだ。ガチのEXILEファンでもある。そうしたパーソナリティが、幅広い演技につながっているのだろう。

『ケータイ捜査官7』の時、三池崇史に「10年後に窪田を選んだ理由がわかる。10年後に会おう」と言われた窪田正孝(実際には半年後に再会しているのだけど)。彼は10年を待つことなく、押しも押されもせぬ名俳優に成長した。その10年後は、来年訪れる。本当の意味で“再会”を果たし、「監督・三池崇史×主演・窪田正孝」の作品が作られるか否かは分からない。けれど、もし実現したらそれだけで「窪田くん!」と涙するだろう。そんな悦びのために僕らは見守り続けるのだ。

(文・てれびのスキマ)

たとえ、おちゃらけた役を演じていても、どこかで葛藤を抱えているんだろうなと勝手にこちらが想像してしまったりする。(本文より)(C)カンテレ


◆てれびのスキマ=本名:戸部田誠(とべた・まこと) 1978年生まれ。テレビっ子。ライター。著書に『1989年のテレビっ子』、『タモリ学』、『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』、『コントに捧げた内村光良の怒り』など多数。雑誌「週刊SPA!」「TV Bros.」、WEBメディア「日刊サイゾー」「cakes」などでテレビに関する連載も多数。今月より「月刊ザテレビジョン」にて、人気・話題の芸能人について考察する新連載「芸能百花」がスタート

関連人物