次は、日本合宿のボーカル・レベルテスト1位のソウダイ。歌を得意とする彼が今回選んだのは、Usherのアップテンポのナンバー「DJ Got Us Fallin’ In Love」。メロディーが美しいパワフルな曲で、「ソウダイの声に良く合う。ボーカルの面では今日一番のパフォーマンスになると思う」と、J.Y. Parkは期待を高めた。
この楽曲は、ソウダイが苦手意識を持っている高音が続き、彼にとっては大きな挑戦。不安を抱えながら始まった練習では、高音を上手く歌う事ばかりに気がいってしまい、「この楽曲に込められた情熱や愛が1つも感じられない」と厳しい指摘が。それを克服しようとどれだけ練習しても、結果がついてこない。自信が揺らぎ、焦りと不安が大きくなっていった。
自分を信じて臨んだ本番。だが、曲が進むにつれ、J.Y. Parkの表情は険しくなっていく。しばらくの沈黙の後、「参加者の中で、高音を最もパワフルに出せるのは明らかです。でも、何の感情も感じられませんでした」と、練習時のトレーナーと同じ指摘が。続けて「表情も用意してきたような不自然さがあった」「何度も繰り返される高音のサビが全て同じ調子で、音楽に聞こえなかった」と厳しい言葉が並んだ。期待が大きかった分、残念でたまらない様子のJ.Y. Park。実力はピカ一だが、ステージに立つ心構えを考える機会が必要だと思う、とソウダイを大切に想うからこそ、今回はキューブを与えない事にした。
ステージを楽しめずに残念な結果となったソウダイ…他の参加者との明暗が分かれた。
本日最後は、ケン。J.Y. Parkが最も可能性に期待している参加者だ。「I can We can ソケン!」。すっかりおなじみとなった挨拶だが、今回は今までの自信無さげな棒読みトーンではなく、元気いっぱい。だが、彼は自分の順番を待つ間、緊張しすぎてずっと落ち着かなかった。韓国合宿の切符を最下位の12位でギリギリ手に入れた彼は、「もっと頑張らなければ」と、悲壮な覚悟でやって来たのだった。
彼が選んだのは、2PMの「Hands Up」。パワフルなオーラが溢れたパーティーチューンだ。人の何倍も努力してきたケンだったが、本番10日前でもトレーナーの指摘は止まらず、言われた事を上手くできない自分が情けなく、上達していく参加者から置いてきぼりになっている気がして、深く落ち込んでいた。そして本番4日前、自分の限界を超えられず、「また最下位になってしまうのでは…」と不安が押し寄せ、1人で誰も居ない練習室に行き涙を流した。
皆が居る練習室に戻ったケンの様子がおかしい事に、トモヤが気づいた。また最下位になる事を不安がるケンを「オレがおるやん」と励まし、「一緒に踊るか?」と、ケンの練習に付き合った。
ケンは、日本合宿のチームミッションでもトモヤに大きく励まされた。今回も、トモヤと踊っている時がいちばん自分を出せて心の底から楽しんでいる事に気づき、再び元気を取り戻した。
参加者たちから声援を受けて始まったケンのステージは、明るく元気なオーラが溢れ、歌の途中で参加者を煽る余裕さえ見せた。見終わったJ.Y. Parkは父親のような笑顔で拍手した後、「ビリの逆襲ですね」と言った。ケンの欠点だった粗っぽさが今日は全然見えなかった、ボーカルのトーンが本当に良く、リズム感も素晴らしかった、と大絶賛。高音にはまだ課題が残るが、それをクリアできたら、ボーカルは最高レベルまでいけると思う、とまで言い、「ケンを選んだ事が間違いではなかった、と証明してくれてありがとう」と最高の賛辞を贈った。席に戻り、新たなキューブが入ったペンダントをいつまでも眺めるケン。今日も彼は「Niziの奇跡」を起こした。
オーディション番組『Nizi Project Season 2<完全版>』は、Huluにて独占配信中。(毎週金曜日夜10時に新エピソードを追加)。また「Nizi Project Season 2」の特集は、朝の情報番組「DayDay.」(日本テレビ系)で毎週放送されている他、サポーター代表 のヒロミと“ニジプロキャスター”森圭介アナウンサーが参加者のパフォーマンスを見ながら実況する「実況!ニジプロ2」(毎週土曜昼2:30-3:00、日本テレビほか)も放送中だ。
◆文=鳥居美保
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)