コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画やイラストをX(旧Twitter)やpixivに投稿している園見喝さんの作品『仮想と現実の話』を紹介する。
園見さんは9月16日に同作を自身のXに投稿したところ、1.8万件の「いいね」を獲得。「仮想世界」のアバターから「現実世界」の姿に変わった時の大きなギャップが多くの読者から話題を集めたようだ。
今回は作者の園見喝さんにインタビューをおこない、同作が生まれた背景やこだわりのポイントついて語ってもらった。
初めてVR世界へ足を踏み入れた少年が所在なげにしていると、「HEY!! そこのにいちゃん」と声をかけられる。
振り返ると、そこにはイカツイ格好をしたトカゲ男のアバターが立っており、オドオドする少年に「この世界を案内してあげる」と手助けすることを申し出る。
トカゲ男のおかげで仮想世界を満喫した少年は、仕事の連絡が入ってログアウトしようとすると、トカゲ男の雰囲気が一変。「案内料100万コイン払いな」と無理な要求を提示してきたが、少年は「そうでした!」となんの迷いもなく100万コイン(30万円相当)を支払う。さらに「また案内してください」と笑顔でログアウトしていくのだった。
現実世界に戻ったトカゲ男は、イカツイ見た目のアバターとは似ても似つかない姿の男の子。「新しい機材買える!」と気分は上々な様子だったが、先にログアウトした少年の現実世界の姿も明らかになるのだが…。
読者からは「リアルの世界で再会してほしい」「少年アバターの正体が気になって眠れない」など、続編を望む声が多く寄せられていた。
――『仮想と現実の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
きっかけは、散歩しながら「こういうギャップがあったら、面白いよなぁ!」という妄想からインターネットという顔や姿が見えない特性って面白いなと思い、SNSで可愛い投稿してる人が本当はとてもおっかない人や、バケモノだったら…というところからいろいろと発展して、実際に漫画にすると面白そうと強く感じたので描いてみました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
主人公の男の子の仕草はこだわりました。最後のページを観ていただけるとわかるのですが、まったく恐怖を知らない無垢な存在なので、その片鱗を最初の方からどう含ますのかを少し悩みました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
6ページ目の最後のコマのシーンです。怖いトカゲを模した見た目のアバターが実は「現実世界では弱い存在ですよ」というのを今の自分なりに表現できたんじゃないかなと思い、とても気に入ってます。
――少年の現実世界の姿は人ではない“何か”だと思うのですが、これはズバリどのようなキャラクターなのでしょうか?
他の作品を引用して申し訳ないのですが…『鉄人28号』みたいなキャラクターだと思います。間違った人がこの主人公に命令したら、とんでもない悪になりますし、でも善人がこの主人公に命令をしても、結局のところ一部からは悪い存在になってしまう、とても悲しい存在だと思います。
――ラストで「二十秒で処理するように…」という指示がありますが、この後は100万コインをもらったキャラとの衝突があるのでしょうか?
それは全く考えてないです。逆に何かに巻き込まれた時に、結果的に主人公に助けられてるとか、そういった展開があれば描いてみたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
商業で漫画を描いてみたいなど、色々とありますが、とりあえず面白いと思ってもらえるものを描いていきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
今回『仮想と現実の話』を読んでいただいた方、今までの漫画やイラストを観ていただいている方本当にありがとうございます!これからも色々と表現できるように頑張って参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
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