コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、しだるさんの漫画『はんぶんとあなたとだいすき』だ。
しだるさんが2023年1月22日にX(旧Twitter)に投稿した『心配性で過保護な幼馴染を解放してあげたかったお話』シリーズの3作目となる同作。2023年10月22日に同じくXに投稿されると、1.4万件の「いいね」が寄せられた。本記事では作者のしだるさんにインタビューをおこない、創作のきっかけやこだわった点などについて語ってもらった。
幼い「ちかくん」と「うみ」の2人は幼馴染。ちかくんにはいつも食べているアイスがあり、食べる度にその半分をうみに渡していた。ただちかくんはこのアイスが好きなわけではなく、どうやらうみに分けやすいという理由で選んでいるようだ。
他の食べ物も毎回分けてくれるちかくんに、「そういえばちかくんいつもはんぶんこしてくれるけど どうして?」とうみが聞くと、過去にうみがクリームパンを分けてくれたからだという。驚いて“気を遣わせてごめん”と謝るうみに、ちかくんは「ぼくがかってにやりたくてやってた」と何でもないように話す。
そんなちかくんにうみは「これからはいつもじゃなくていい」と伝え、「すきなものひとりじめしたいときあるでしょう?」と聞く。「そのきもちならわかる」と答えたちかくんは2人で食べ物を分けることで、うみとの幸せな時間を「ひとりじめ」していたのだった。やがて時が経ち成長した2人の手には、あの時と同じアイスが握られていて…。
読者からは「ちかくんの思考が大人すぎる」「照れるうみが最高に可愛い」「この関係が永遠に続いて欲しい」など好評の声が相次いでいた。
――『はんぶんとあなたとだいすき』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
生き方や考え方も違う2人に、時が経って大人になっても変わらない何かがあったら素敵だなと思って描きました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
こだわった点は言葉や個々の考え方です。1人ひとりキャラクターにはちゃんと価値観や考え方、生きてきた時間があって、だからこういう言い方をする、このキャラクター同士だと相手の言うことがわからない等いつも意識して描くようにしています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
男の子がどうして自分がこういう行動をしていたかを振り返る過去のシーンです。最後の最後まで納得いく形にするのに時間がかかったので、一番思い入れがあるかなと思います。
――個人的に登場人物の顔立ちが独特のタッチで描かれているように感じましたが、人物を描く際に意識していることはあるでしょうか?
口元だけでも何度も修正したりするので、表情にはすごくこだわりがあるかもしれません。特に台詞のないコマは顔に注目がいくので今どういう気持ちでいるか、目線や眉の動きなどよく考えたりします。漫画のキャラクターではありますが、生きているように描きたいといつも意識して描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
目標は描き続けることです。描き続けてきた自分がいるから今があるので、今も昔もそれが第一目標です。
今後の展開については実はわかりません。というのもこの作品はシリーズの3作目なのですが、私自身1話で終わりのつもりで描いていたので、2人がどういう結末を迎えるかわからないのです。
けれど1作目の時から感想をいただいたり、続きを読みたいと言ってもらえてもう少し頑張ってみようと思ってここまできたので、これからも頑張りたいと思っています!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも見てくださってる方も新しく私を見つけてくださった方も本当に本当にありがとうございます!作品を通しての出会いに感謝です。2人がどういう生き方や関係を選んでいくか私もわかりませんが、だからこそこれから描いていくのが楽しみです。これからも私と一緒に2人を見守ってもらえたら嬉しいです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)