普通のオーディション番組って、イケメンだったりカワイイ子だったり、たくさんの参加者が出てきて、その中で“推し”を見つけるみたいな楽しみ方が多いですよね。でも僕は「広瀬香美さんの凄さ」を伝えるために「広瀬香美ショー」にしたかった。
歌姫候補には高音が素晴らしい人もいれば、唯一無二のハスキーな声を持つ人もいる。バラエティ豊かな挑戦者に対して、その都度、広瀬さんからのアドバイスが違って、学びにもなる。「歌手になりたい!」という夢を持っている人はたくさんいます。そういった人たちが歌唱法やテクニック、さらに歌手になるための本質を学べる内容が多い【バイブル】的な番組にしたいなと。「¥マネーの虎」もそうだったんですが、何年経っても“腐らない”情報を見せたかった。本当に良いモノって、普遍的なものなので、ずっと残ります。「¥マネーの虎」なんて、20年以上経った今でも世界中で愛されています。
そうした普遍的な良さを持つ番組を、広瀬さんで作りたかったんです。僕は広瀬さんのプロフェッショナルさを垣間見ていたので、これを世に出すことで音楽業界が盛り上がると思うし、この番組を見た人たちの中から近い将来、素晴らしい歌手が生まれたらいいなあと。
――栗原さんと広瀬さんは、お仕事をされるのは今回が初めてと伺いました。栗原さんには元々「広瀬さん主体の番組が作りたい」といった構想があったのでしょうか。
広瀬さんと初めてお会いした時に「素敵な人だな」と思いましたが、最初は番組を作りたいいう発想はありませんでした。その後、何度かお会いして、お話するたびに「この人と、今後なにかできたら面白いな」と思い、企画を考え始めて、それが1年後とか10年後に番組として形になれば良いなあ…とは思っていました。
以前、僕は「天才バカボン」というスペシャルドラマを作ったんですが、その主演がくりぃむしちゅーの上田晋也さんでした。たまたま僕の友人が上田さんとレギュラー番組をやっていた関係で、何度か一緒にゴルフをさせてもらったんです。そのときに雑談で「実は“バカボンのパパ”に似ているってよく言われるので、いつか実写版の『天才バカボン』をやりたいんですよ」という話が飛び出して、「たしかにバカボンのパパに似てる…上田さんがやったら面白いだろうな」と思ったので「僕が原作者に交渉してみましょうか」と。それがきっかけでした。
広瀬さんの場合は、お話していると「ミリオンヒットしている歌手なのに、とても腰の低い謙虚な人」という印象の人でした。でも、コンサートを見に行くと“全く違う人”になっているんですよ。スイッチが入って変わる、そのギャップが大き過ぎて、びっくりしました。
コンサートには広瀬さんのファンが来ているので、「SMの女王様」みたいなしゃべり方をしているときがあるんです(笑)。しかも広瀬さんのMCは結構長くて、それもめちゃくちゃ面白い。「このファンしか知らない広瀬さんのキャラを、なぜ世の中に出さないのかな?」と。昔はともかく、今はアーティストも自分の考えや意見を発信する時代じゃないですか。広瀬さんのインパクトあるキャラクターや素顔は、どんどん世の中に出していった方が良いと思って「YouTubeやってみませんか?」と提案させていただきました。
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