民放公式テレビ配信サービス・TVer初の完全オリジナル番組「最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜」のシーズン2がスタート。11月3日(金)に配信開始となった初回の放送では、ダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)のリーダー・shojiが登場し、恩師や盟友・三浦大知から刺激を受けてきた約20年のダンス人生を振り返った。
「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」は、さまざまな業界のトップランナーを講師として招き、学生や社会人に「知っておいてよかった」と思える“考え方のヒント”を届ける民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の完全オリジナル番組。
2022年12月から約半年にわたり、放送された同番組が好評を受けて帰ってきた。シーズン2は11月3日よりスタートし、シーズン1に引き続きラランド・ニシダが副担任役、ラランド・サーヤが生徒役。そして新しく生徒役として元乃木坂46の秋元真夏、佐藤新(IMP.)、韓国人インフルエンサー・らんが参加する。
11月3日に放送されたシーズン2初回の放送では、講師として、世界が注目するダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)のリーダー・shojiが登場。サーヤが「漫画の主人公」と表現する、努力で培ってきたダンス人生を振り返った。
今、最も振り付けしてほしいダンスユニットと言われているs**t kingz。これまで三浦大知、BLACKPINK、EXO、EXILEなど豪華アーティストの楽曲を振り付けし、その数は400曲にも渡る。7人組の人気男性アイドルグループIMP.のメンバーである佐藤も「ダンス界みんなの憧れ」と尊敬を示した。
shojiは、23歳でs**t kingzを結成した当初からリーダーとして活躍。2010年、2011年にはアメリカ最大のダンス大会で2年連続優勝を果たし、今年10月には「ダンサーのライブを見に来ることが当たり前な時代を作っていきたい」という思いのもと、ダンサー史上初となる日本武道館単独ライブを開催した。
これだけの実力を示しながらも、運動神経は悪い方だというshoji。小学生の頃の体力テストは毎年学年最下位で、自転車には大学生になるまで乗れなかった。また、三浦大知の楽曲「I’m Here」のMV撮影で湖に行き、みんなで水切りした際には一人だけ石ころが逆走。あわや後ろにいた三浦の額に石ころが当たるところだったというエピソードも飛び出す。運動神経とダンスの能力は関係ないとは言い切れないが、「時間をかければできる」とshojiは語った。そんなshojiはダンサーとして成功を収めるまでにどんな道を辿ってきたのか。
まず、ダンスを始めたのは18歳の頃。それまで帰宅部で何もしてこなかった自分を変えるために大学入学後、ダンスサークルに飛び込んだ。しかし、最初は全然踊れず、基礎という基礎をとにかく自分に叩き込んだそう。
まさか自身もプロのダンサーになるとは一切思っておらず、s**t kingzを結成した年にはダンス関連のアパレル企業に入社。百貨店の営業担当として、夜10時まで働き、その後から朝方までダンスの練習に励む多忙な日々を送った。
shojiの努力がようやく報われたのが24歳の頃。なんと、米・MTVが主催する世界最大級の音楽イベントで来日したマライア・キャリーのバックダンサーという信じられない初仕事が舞い込んだのだ。当時、まだ会社員の身だったshojiは仕事場と往復しながら、映画「THIS IS IT」にも出演したアメリカのダンサーたちと共にリハーサルを重ねた。
そんな華々しいデビューを飾った直後、shojiは人生最大の挫折を経験。他のメンバーに倣って仕事を辞めてアメリカにダンス留学したが、それまでほぼ独学だったこともあり、レッスンに全くついていけず、己の不甲斐なさから思わずスタジオから飛び出したという。
しかし、そんな中でshojiは人生を変えてくれた恩師ジャファー・スミスに出会う。同氏は「teach(教える)」ではなく、「share(共有する)」という単語を使い、shojiにいつも刺激を与えてくれたそう。彼との出会いをきっかけに、自分のように上手く踊れず、ダンスが嫌いになりそうな人がもう一度ダンスを楽しいと思えるような空間を作りたいという思いに至ったというshojiは「あの人がいなかったらダンス続けられてない」としみじみ語った。
また、自身の盟友として再度、三浦大知の名前を挙げるshoji。自身でも振り付けを行う三浦のすごさを「自分がどこを際立たせたいかを理解して振り付けを作っている」「新しいトレンドを追いすぎないから一生古くならない」といった言葉で表現した。
後半では、shojiの初心者でも踊れる世界一のダンスレッスンにサーヤたちが挑戦。「日常の動きを組み合わせたらダンスになる」というshojiの言葉をもとに、タイピング音、あくび、足音、飲み物を購入、飲み物を飲む際の音に合わせた日常動作を組み合わせ、ダンスを踊った。
すると、一応それっぽいダンスが完成。そこからさらに工夫していくと本格的になり、例としてshojiがダンスを披露してみせる。一番大事なのは「やってやった顔」だといい、その言葉通りにshojiは表情も使った全身の表現で生徒たちを楽しませた。
そんなshojiは36歳の時に芝居にも挑戦。18歳からダンスを始め、20年かけて今の地位にたどり着いた経験から、「20年後には自分絶対すごいことになれるぞ」と己を奮い立たせて芝居に取り組んでいるという。12月には舞台「ある都市の死」に出演し、戦禍を生き抜いたポーランドのピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンとその息子クリストファー、そして彼を救ったドイツ軍将校ホーゼンフェルトの物語を歌やダンスで紡ぎ出す。
最後にこの番組恒例の「かっこいい大人とは?」という質問に、「一生、生徒でいられる大人」と答えたshoji。「価値観の違いを面白がって、色んな人たちと『君たちすごいね』と学んでる人ってめちゃくちゃかっこいいなって思います」と語り、授業を締めくくった。
■文=苫とり子
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