元宝塚トップ・珠城りょう、演劇・ドラマなど活躍広がるも「舞台には毎年立ちたい」

2023/11/11 12:00 配信

芸能一般 インタビュー

珠城りょう※提供写真

元宝塚歌劇団男役トップスターの珠城りょうが、朗読ミュージカル『「初恋」~朝まだきの、春の雷雨の思い出ほどに~』に出演する。本作は昨年9月に開催された朗読ミュージカル「Unrequited Love~マクベスを殺した男~」に続く朗読劇とミュージカルが融合した新しい形の朗読劇の第二弾となる。宝塚時代から歌・ダンス・そして演技力に定評がある珠城は「マヌエラ」や「天翔ける風に」といった人気の舞台の主演を、今年は大ヒットドラマ「VIVANT」にも出演。表現の幅を広げている珠城に、改めて朗読劇の難しさや役作り、最近の活躍の振り返りや今後の俳優としての展望などを語ってもらった。

セリフ入れと芝居のバランスが難しい“朗読劇”に挑戦


――昨年9月に行われた朗読ミュージカル「Unrequited Love~マクベスを殺した男~」では朗読劇(朗読ミュージカル)に初めて挑戦されましたが、振り返ってみての思い出をお聞かせください。

「Unrequited Love~マクベスを殺した男~」は歌うし踊るし、台本を完全に外してお芝居をするシーンもあったんですね。朗読劇といえば台本を手に持ったままリーディングをするものだと思っていたので、それとはかけ離れた演出だったことが新鮮でした。脚本・演出の斎藤栄作さんも新しい試みだとおっしゃっていて、みんなでああでもないこうでもないと言いながら、楽しく稽古をし、本番を迎えた思い出があります。

――珠城さんは台本を覚えてから舞台に立つことが多かったかと思いますが、台本が手元にあるというのはどのような気持ちだったのでしょうか?

手元に台本がある安心感からなのか、全然セリフが頭に入ってこないんです(笑)。完全に暗記をしなければならないときのほうが、セリフは覚えられるのかなと感じました。それから、どのくらい手元の台本を見ていいのか、どのくらい台本から視線を外したほうがいいのか、そのバランスを考えるのが難しかったです。

朗読劇「初恋」は濃厚なラブストーリー


――そんな経験を経て、今年も朗読ミュージカルに出演されることになりました。オファーを受けたとき、率直なところどう感じましたか?

「Unrequited Love」の公演が終わったあと、ご覧いただいたお客様から「このシリーズがもっと続いてほしい」というお声をいただいたんです。演じていた私たちも、またこういったイベントができたらいいねと内々で話していたので、それが実現できて非常にうれしいです。また、今回は羽多野渉さんという新たなキャストが加わって前回とは違う雰囲気になると思うので、それも楽しみです。

――今回ご出演する『「初恋」~朝まだきの、春の雷雨の思い出ほどに~』の台本を読んだときの感想はいかがでしたか?

前作に続いて演出・脚本を斎藤栄作さんが書いてくださっているんですが、斎藤節というか、斎藤劇場だなという感じでした。ツルゲーネフの「初恋」という文学作品を題材にしていて、ちょっと難しいかもとか堅い物語なんじゃないかと考えられる方もいるかもしれませんが、いろいろなエッセンスが込められていて、クスッと笑えるようなシーンもあるんです。斎藤さんは真面目なお芝居はもちろんですが、それ以外にもいろいろな要素を交えて物語に落とし込んでくださるので、今回もとても面白いんです。私自身、「初恋」という作品にしっかりと触れたことがなかったので、内容に関しては衝撃的なところもありました。

――「初恋」という言葉だけ聞くと甘酸っぱかったりかわいらしかったりするイメージがありますよね。

そうなんです。本作はそのイメージとは違ってなかなかに重い部分もあり、昨年の朗読ミュージカルとは違う色恋がお話のベースになっているんです。そういう作品に挑戦できることは、とても楽しみです。

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