元宝塚トップ・珠城りょう、演劇・ドラマなど活躍広がるも「舞台には毎年立ちたい」

2023/11/11 12:00 配信

芸能一般 インタビュー

「舞台には1年に1本でもいいから立ちたい」


――2023年は舞台「マヌエラ」や「天翔ける風に」、テレビドラマでは「VIVANT」に出演されるなど多岐に渡って活動されていますが、媒体が違うことで意識することはありますか?

映像の場合は目の前にいる人との距離感や空気感を意識しますが、舞台のときは目の前の人はもちろん、空間が広くなるので、それを埋めることは無意識のうちにしているかもしれません。また「Unrequited Love」のときは「朗読」と名の付いたものだったので、言葉をより大切にしたいと思って演じていました。でも、この2年でストレートプレイ、朗読、映像、ミュージカルと演じて、”言葉の重要さ”はどの現場でも変わらないんだなと感じるようになりました。どんな作品でも何を言っているのかがわからないと、お客さんも集中して見られなくなってしまうと思うんです。

それから、作品によって微妙に違いはありますが、一貫して誰かの人生を演じるということがとても好きだなと感じました。映像のほうはまだ慣れていない部分があるので勉強することも多いですが、実は考えすぎていたところもあって。声のボリュームって、音声の方が調整してくれるんだと、今更ながらに思ったり…。もちろん、ステージでもマイクはありますが、そのアイテムや技術とどう付き合っていくかのバランスが大事なんだなという発見がありました。

――さまざまな経験を経て、今後どのような役、媒体に挑戦してみたいですか?

舞台には1年に1本でもいいから立てたらと思っています。それから、今は映像の仕事にも興味があるので、ドラマや映画のオファーをいただけるようになりたいですね。また、これは今すぐではなくいつかですが、年齢相応の役だけでなく、若い時代から年老いていくまで、その人の長い人生を演じられたらとも思っています。朗読ミュージカルはセリフを暗記するところもありますが、台本を手放さず、最初の立ち位置から動かないリーディングもやってみたい。どの程度台本を覚えるのか、どの程度視線を本から外すのかも経験してみたいです。

――朗読劇はひとりで何役も演じることが多いですが、ひとつの舞台でいろいろな役に挑戦するというのは?

それもいいですね。先日共演した方が、ひとりで複数の役を演じたとおっしゃっていて。その方は、ご自身のこだわりで役ごとに衣装まで全部変えたそうなんです。性別を超えた複数の役を演じるのは大変だったけれど楽しかったとおっしゃっていたのを聞いて、それも面白そうだなと思いました。

――ご自身とかけ離れたキャラクターを演じるというのはいかがでしょう?

「天翔ける風に」では人を殺してしまう役だったんですよね。最後は自首をして罪を償う役ではありましたが、同じく罪を犯して投獄され処刑される役も演じたことがあるので…結構極端ですね(笑)。そういえば、すごく意地悪な役は演じたことがない気がします。陰湿で嫌みな役には興味がありますね(笑)。また、スポーツをやっていたり身長の面もあってクールな女性の役をいただくことが多いので、雰囲気の柔らかい女性も演じてみたいです。

――最後に、本番に向けての意気込みをお聞かせください。

昨年に引き続き、朗読ミュージカル(「初恋」~朝まだきの、春の雷雨の思い出ほどに~)に挑戦できることを本当にうれしく思っています。前回ご一緒した高橋愛さん、宮菜穂子さんに、今回は新たに羽多野渉さんという声優界でもキャリアのある方とご一緒できて、どんな雰囲気になるのか自分でも非常にドキドキしています。前回とはまた違う、だいぶ濃厚なラブストーリーになっているので、きっとお客様にも楽しんでいただきながら切ない気持ちも同時に感じていただけるのではないかと思っています。ところざわサクラタウンで非日常を味わっていただけたら嬉しいです!ぜひ足をお運びください。お待ちしています。

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