佐々木蔵之介“哲雄”と吉田栄作“義辰”、ヒリヒリゾクゾクした禁断の対面シーン<マイホームヒーロー>

2023/11/15 12:38 配信

ドラマ レビュー

佐々木蔵之介と吉田栄作のヒリつく見事な演技にゾクゾク


視聴者としては、哲雄が隣り合った男が、延人の父親・義辰であることはすぐに分かったこと。もちろん哲雄は知らなかったが、会話から義辰の息子への愛情の強さと、恐ろしさがそこはかとなく漂っていた。そんなヒリヒリする状況が存分に醸し出されていたのは、佐々木と吉田、2人のベテラン俳優の成すところ。

義辰が帰り際にこの店が息子の行きつけで探しに来たと明かしたことで、「もしかして、この人…」と何かを感じ取り、「せっかくですから、お名前お伺いしても?」と聞いた哲雄。義辰は即座に「山内と申します」と言い、聞き返された哲雄は「田端です」ととっさに学生時代の友人の名を出した。

店を出た義辰は、哲雄と話しているときのトーンとは違う声で、「視線のブレ、上ずった声、一瞬の間。おそらく偽名だろうね。あの顔、覚えていよう」とつぶやいた。

対して哲雄はバーテンダーに当初の目的である延人の写真を見せて「心当たりありませんか」と聞くと、バーテンダーは驚きながら「今のお客様もこの人捜してましたよ」と告げた。それにより、義辰が延人の父親であると確信した哲雄に緊張が走った。

推理小説好きな知識と勘の鋭さのある哲雄と、言葉巧みな詐欺師を仕事にする義辰。2人の父親の思いがけない対面シーンは、互いに素性を知らないのにヒリつき、また何かを感じ取っていく様子にゾクゾクする展開となった。

哲雄は、義辰との会話で得た言葉から延人のSNSにログインすることができ、動画を使った工作をした。それが見破られてしまうのか、緊張感が高まる。その背景に、組織との対決もだが、義辰とどう向き合っていくことになるのかも加わったことが大きい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部