コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、刺繍作家・イラストレーターのありまさんが描く『やっぱり話が早いうちの母』をピックアップ。
2023年9月29日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ありまさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
主人公のお母さんは、娘の色々な提案にいつも「やりましょう」と二つ返事で答えてくれる。そして、今回の漫画でも、話が早いお母さんのおかげで、夏に楽しい思い出ができたというエピソードが描かれている。
コロナ禍で子供が夏らしい経験をできていないため、主人公は実家で夏祭りの開催を思いつく。そして、早速実家のお母さんに相談すると、いつものように「やりましょう」とノリノリで答えてくれた。
夏祭り当日、お母さんの「おはようございま~す!」という元気な声と共に準備がスタート。本人も楽しそうにテキパキと準備を進めるお母さんに、続々と集まる親戚家族。すでに楽しい雰囲気が高まり始めている。お店は、焼きそば、わたあめ、かき氷に、スーパーボールすくい、輪投げ、くじ引きまで用意された。準備から夏祭り本番まで、大人も子供もみんなが笑顔になり、楽しい時間はあっという間に過ぎていった――。
作中で主人公は、“楽しそうにしている母を見るとこちらも楽しくなってくる。人の心を動かす人だ。”と語る。そんな素敵なお母さんの様子が伝わる漫画に、読者からは「こういう親になりたい」「素敵なお母さんに拍手」などの声が寄せられた。
――『やっぱり話が早いうちの母』をはじめ、お母さまのエピソードを漫画にしようと思ったきっかけや理由などをお教えください。
きっかけは、2021年に刺繍作家としてスタートしようと思った時、勇気づけられた母との会話を思い出したことです。
もともと自分の気持ちや感情を整理するために『絵日記』や『コミックエッセイ』を描いていたのですが、『これから新しい仕事に挑戦するぞ!』という決意を込めてその時描いたものが、1番はじめの母漫画でした。
小さい頃から悩んだ時や不安な時、いつも母がそばにいてくれて、色々な言葉をかけてくれたのですが、私はすぐ忘れて同じことで悩んでしまうので笑、忘れないように漫画に残そうと思いました。
――今作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
母とのエピソードを漫画に描く上で、母と約束したのが『盛らない』ことです。漫画は日常の一部分を切り取ったものなので、いくらでも「いい風に」描けてしまうので…現実と漫画の間にギャップが生まれないように、というのは、とても気をつけています。
――漫画を読んで、とても行動力があるお母さまを尊敬してしまいます。そして、お父さまが協力してくれているところも描かれていて、素敵なご両親だと思いました。ありまさんから見て、ご両親はどのような人かをご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
突拍子もない提案も「やろうやろう!」と楽しむ柔軟な母とは対照的に、父はとっても真面目…というか、少し硬いところがあります。
母がやること対して「普通はそんなことしない…」とぶつくさ言っていた父が、最終的に「こうしたらどう?」と提案したり、ニコニコ楽しんでいる場面を見かけると、ちょっとニヤリとしてしまいます。「ほらほら、お母さんのやることって楽しいでしょう」と。また反対に、母が悩んでいる時に、理路整然と的確な助言をできるのは父のかっこいいところ。バチバチの夫婦喧嘩を見かけることも多いですが、これからも仲良くやっていってほしいです。
――いつも笑顔で何でもノリノリで楽しんでくれるおばあちゃんに、お子さま(お孫さま)も毎回遊びに行くのを楽しみにしているのではないでしょうか。
はい。おばあちゃん子な娘は、ひとたび帰省の予定が決まると「今日はおばあちゃまの家に行く日?」と毎日聞くくらい楽しみにしています。毎朝カレンダーにシールを貼って、あと何日…と指折り数える娘の様子を微笑ましく見ています。
――投稿には、「素敵なお母さん」「こんなお母さんほしい」など、読者から多くのコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか。
『うちの母のこういうところ好きなんだよなぁ…』という、親バカならぬ娘バカな漫画を楽しんで頂けて、嬉しいやら、照れるやら、ふわふわした気持ちになっています。ありがたいです!
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも漫画を読んでくださりありがとうございます!頂いたコメントは母にもシェアして大切に読ませていただいてます。これからも愉快なうちの母のエピソードを、少しずつ描いていきたいと思います!
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