幸紀が「A君は天使のことが好きだったんだな」と言うと、天使は「そうみたいですね。あーあ。好意を捻じ曲げて伝える人って本当に嫌ですね。ガキなんで仕方ないと思いますが」と言って振り向いて「僕は素直に気持ちを伝えてくる人が好きです」と幸紀に向かって告げる。
幸紀が「お前さえ良ければずっと俺のとこ居てもいいんだぞ」と言うと「居て欲しいの間違いでは?」と言う天使。幸紀が「おまっほんとふてぶてしい!」と言って翼をくすぐると、「ああ、もう!勘弁してくださいよ、もう。なんでこうもくすぐったいんですかね。とくに内側のとこが」と天使が不満と言っていると、幸紀が翼を撫でる。その優しい表情を見た天使が「居させてもらえないと困りますし、普通に離れたくないです」と言うと「は?」と幸紀。「ああ、もう本当に鈍いですね。さっき散々A君のこと言ったからには僕も素直にならないとと思いまして」という天使の言葉に「素直?どこが」と幸紀が苦笑すると、いきなり天使は幸紀に抱きつく。「側にいたいです」と天使が素直な気持ちを告げると幸紀も天使に手を回す。
「たまに思う、天使は俺の負の感情を吸い取って浄化してくれてるんじゃないかと。現にこいつが来てから俺は死んでもいいや、なんて思わなくなった。むしろ、それどころか…」と幸紀が思っていると天使は、「ああ!そっか!わかった、わかりました」と声を上げる。天使は幸紀の目をまっすぐに見つめて「幸紀さん、付き合ってください」と言う。幸紀は驚いてただただ天使を見つめるのだった。
天使の過去があまりにも痛ましく辛いものだったが、彼に優しい言葉をかける幸紀に救われる思いがした。
◆構成・文=牧島史佳
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