俳優の窪田正孝が、11月18日に都内で開催された映画「愛にイナズマ」ティーチインイベントに登場。メガホンをとった石井裕也監督と共に、観客から直接寄せられたさまざまな質問に答えた。
「舟を編む」などを手掛けた石井監督がポップでハッピーなタッチで描いた今作は、“アフターコロナ”の現代が舞台。社会の理不尽さに打ちのめされた恋人同士の花子(松岡茉優)と正夫(窪田)が、10年ぶりに再会したどうしようもない家族の力を借りて反撃の狼煙を上げるという、愛と希望とユーモアに満ちた痛快なストーリーになっている。
10月27日の公開から約3週間が経過したが、周囲の反響について窪田は「映画って見る人それぞれの感想があっていいと思うし、『正直あんまりだったな』という声もたぶんあると思うんですけど、いい反応しかないんですよね。マネジャーも先日2回目を見たらしいんですけど、2回目も泣いたらしいです。マネジャーが泣くってあんまりないですよね」と少し驚きながら明かした。
そしてティーチインイベントということで、直接会場の観客から質問を募集し、窪田と石井監督で答えることに。
劇中では“恋愛感情ではない”ハグのシーンも象徴的に描かれているが、ハグシーンについて聞かれた窪田は「ハグってすごいエネルギーの交換だなと僕は思っていて、ましてや(佐藤)浩市さんをハグできる機会なんてなかなかないですよね」と回答。
すると、その佐藤との海辺のシーンでの撮影について石井監督から「(窪田が)すごい顔をしていたんです。引き画を1回撮ったんですけど、スタッフはその様が『最高だ』って言って、もう寄りは撮らなくていいという雰囲気になっていたんです。でも、俺は窪田くんの顔を見ていたから『これは絶対撮らなきゃいけない』って言って寄りも撮ったんですよ。そしたらスタッフの人たちは『この表情は絶対撮らないとダメでしたね』というムードになっていましたね」と、現場での裏話が飛び出す。
それを受け窪田は「うれしいですね」としみじみかみ締め、「浩市さんから流れてくるエネルギーをずっと感じていました。こんな顔をしようとか、僕は正直考えてなかったです。だってあんなパワースポットな人いないじゃないですか。いるだけで拝みたくなるような…。きれいな髪もされていて、あんなに人が好きな人っていないと思うくらい。普段から本当に愛しかない人だなと。すごく尊い聖なる木にハグするような感覚でしたね」と佐藤に対するリスペクトを込めて、撮影を振り返っていた。
映画「愛にイナズマ」は全国公開中。
◆取材・文・撮影=月島勝利