コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家・天倉ふゆさんによる作品『クールな金魚屋の店主と新婚生活はじめてみた話。』を紹介する。
同作は天倉さんの著作『金魚屋さんのかりそめ夫婦1巻』に収録された1話で、9月17日に自身のX(旧Twitter)に投稿されたところ、1.2万件の「いいね」を獲得して話題に。今回は作者の天倉ふゆさんにインタビューをおこない、同作が生まれた背景やこだわりついて語ってもらった。
これは金魚屋を舞台とした“利害の一致のために契約”した夫婦の物語。祖母から引き継いだ金魚屋の店主・七さんは、旭とともに新婚生活を送っている。
ある日、七さんが金魚屋で接客をしていると、奥の居室から大きな音と旭の叫び声が。おずおずと戸を開けた旭は、拾ってきた野良猫の猫介が暴れて扇風機を壊してしまったことを白状する。「おい、うちエアコンないんだぞ?」と渋い顔を見せる七さんは、旭が野良猫に名前をつけて自宅に入れていることに不満を露わに。旭は何とか猫介を受け入れてもらおうと食い下がるが、両者一歩も譲らない状態であった。
説得を試みる旭が七さんを脱衣所まで追いかけると、彼は上半身裸になって「風呂だけど」と告げる。勢いよく戸を閉め、動揺して激しく鼓動する胸を押さえた彼女は「七さんて、冷たい」と言い残し脱衣所を後にした。1人湯船に浸かり、旭の姿や自身の過去を回想する七さん。そして風呂から出た彼が居室へ行くと、そこには寝ている猫介がいるだけで妻の姿はなかった。
その頃、旭は家の庭でしゃがみ込み、自身の発言を猛省。七さんは表情に乏しくドライな性格だが、金魚たちに見せる表情は柔らかい。水槽の中から七さんを覗いてみたくなる…そんなことを考えていると、突然玄関の戸が開いた。出てきた彼は、何かを探している様子で…。
クールな七さんと契約結婚した旭との距離が徐々に縮まっていく様子が話題となり、「1ページ目からイケメンすぎる…」「シチュエーションといい2人の関係性、ビジュアルがどれも最高」「旦那さんは男でも納得するくらいのイケメン」といった反響が寄せられていた。
――『クールな金魚屋の店主と新婚生活はじめてみた話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
今までずっと女性向け恋愛漫画を描いていたのですが、過去作品の主人公がどれも学生設定で話の展開を考える時に、恋愛的なドキドキを見せたい!という考えと、子供(主人公)に過激なことさせてしまってないかな?という不安でプロットやネームで手が止まることがあり、現担当さんに以前から挑戦してみたかった大人同士の恋愛を描いてみたい!とご相談したところがきっかけだと思います。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
こだわった点というより心がけている部分なのですが、とにかく毎回「七さんをかっこよく描かねば!」という気持ちで描いているので、七さんの見せ場は読者さんが旭と一緒にときめいてもらえるよう試行錯誤しながら描いております。少し貧乏ながらも楽しそうにしている若夫婦(事情ありげな)の日常を楽しんでいただけたら嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1話の七さんの脱衣場での上裸のシーンは「この作品はこういうサービスシーンもあります!」の意気込みもあって入れたものなので、1巻収録の中ですとこのシーンは思い入れがあります。
――天倉さんは、やはり金魚に思い入れがあるのでしょうか?
金魚やアクアリウムには『金魚屋さんのかりそめ夫婦』を描く前から興味があり、動画やお店で見たり調べたりするのが好きでした。ただ、私自身生き物(植物含め)を育てるのがあまり得意でなく、こんな風に水槽に囲まれて暮らせたらいいなぁと憧れながら金魚屋さんを描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
今描いている作品を大事に描きつつ、色んなジャンル(恋愛ものやそれ以外も)の作品を描けるような技術と柔軟な行動力を鍛えたいです。あとはとにかく、イケメン!かわいい女子!をもっともっと描けるようになりたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
『金魚屋さんのかりそめ夫婦』を読んでくださった方、ご興味持っていただいた方、本当にありがとうございます!
七さんと旭のかりそめの夫婦生活を最後まで楽しんでいただけるよう、執筆を引き続き頑張りたいと思っております。お付き合いいただけたら嬉しいです。そして『金魚屋さんのかりそめ夫婦』をまだ読んでいない方にも作品が届くよう頑張りたいと思います!
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