「The OA」製作陣と“GG賞”受賞のエマ・コリンがタッグ 雪×閉鎖空間でゾクゾクさせるミステリー開幕<マーダー・イン・ザ・ワールドエンド>

2023/11/21 17:10 配信

ドラマ レビュー

Z世代探偵の面白さとサスペンスを盛り上げる秀逸なシチュエーション


ダービーたちがいるのは、辺り一帯雪が積もり、周辺には民家や他の施設もほとんど見当たらない場所。ケネス・ブラナー主演の映画「オリエント急行殺人事件」などもそうだが、雪と閉鎖的空間のマッチングは、冷えた空気感がこちらにも漂うようで、ミステリー&サスペンスにとって最高の舞台となる。

救急車を呼ぼうとしても嵐で難しかったり、警察が到着するのが翌日の日暮れ前だとされたりといった具合に、閉鎖的なシチュエーション。まさに本作のタイトルでいう、ワールドエンド=地の果て。そして何より、その空間には犯人であろう人物もいるのだから、ドキドキ感が高まる。

そこに加わるのが、デジタルネイティブ世代のダービーのハッカー技術や、一歩進んだAIアシスタントなど先進的なテクノロジーだ。それが物語の展開に独自性を持たせて、グッと面白くする。

ダービーのほか、ゲストは映像作家、中国でスマートシティ建設を計画する者、投資家、研究者など9人。アンディが5人、リーが4人を招いたという。そこに何か意味があるのかということも頭をよぎる。

物語は、ダービーとビルの過去と、ダービーがアンディに招かれた現在と、2つのタイムラインを行き来する。ダービーが過去は金髪で、現在はピンク髪であることから、今のところ困惑することはなく、逆に過去が描かれることでダービーの鋭さやスキルが引き立ってくる。過去の出来事も全容は明らかにされていないため、2つのフーダニットを追うというのも楽しい。

「現代のホームズ」と呼ばれているらしいダービーはどのように真実に近づいていくのか。Z世代らしい活躍を大いに期待していきたい。

「マーダー・イン・ザ・ワールドエンド」は、ディズニープラスのスターで毎週火曜に新エピソードを独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部