――黄監督の出身国である台湾サイドからの期待もありそうですが、そのほか、外国からどのような期待の声をいただいていますか。
台湾はVR映画文化と技術が発達しています。映画祭でVR部門がまだ少ない理由には、機材や費用の問題があり、先端技術を体験いただくハードルが高いのです。今回「Cinema at Sea」では、VR機器でアジア最大シェアで世界2位のメーカー・HTC社さんの全面協力を得ているので、機材も台湾から運んできています。台湾と距離が近いのも沖縄を会場にした利点でした。総合的な映画祭でVR部門があるのはまだ珍しいと思います。
――VR映画を扱うのが本映画祭の特徴のひとつなのですね。
大きな国際映画祭にはVR映画部門があり、特にヴェネチア国際映画祭が有名ですね。カンヌ映画祭の併設マーケットもXR部門がありますがまだそこまで有名とは言えないです。VRの技術は毎年革新されていて、スマートフォンよりも早いスピードで進化しています。毎年飛躍的に技術革新されているので、映画祭で取り入れるのはとても複雑で困難なんですね。
「Cinema at Sea」は、「フェス的な楽しみ方」ができる一方で、「VRの最新技術にも気軽に触れてもらえる」のが特徴だと思います。日本未公開映画を多数上映するので、映画ファンの方はもちろん、映画を普段ご覧にならない方でも、気軽に遊びにきていただきたいですね。26日(日)にはVRの最先端のプロを招いた「VRフォーラム」(会場:那覇文化芸術劇場 なはーと)も実施予定です。
――今後、映画祭を大きくしていくために、どういった課題がありますか?
まず資金面です。まだ不足していますので、出資・協賛を増やさないといけないですね。そのためにも、市町村とも協力しながら「公共性」がある映画祭にしていかなければならないですね。
日本語、英語、中国語の3言語で世界に発信していますが、沖縄の地まで足を運んでいただくハードルはありますが、「映画祭に行きたい」「沖縄に行きたい」という想いが相乗効果となって観光にもつながればいいなと。今年の第一回は、那覇市に共催をいただいていますが、地元の方にも楽しんで参加いただいて、広げていきたいですね。
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