コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、さとうもぐもさんがX(旧Twitter)に投稿した『プロ野球を愛しすぎている人たちの生態:第1回戦』をピックアップ。
作者のさとうもぐもさんが10月9日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、6千以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、さとうもぐもさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
プロ野球ファン(社会人)の1日あるある。プロ野球ファンは朝起きるとプロ野球情報を得るためSNSを見る。そこで引退情報を見てしまうと「ずっと君はいてくれると思っていたよ」と思いショックを受けてしまうが、辛いことがあっても野球ファンはたくましく生きているのである。また、出勤中にもニュースを見たり、会社でもこっそり野球グッズを紛れこましたりとするのだ。
夕方には、スタメン発表が楽しみ。飲み会に行った時も靴箱のカギは推し選手の背番号で、「野球好きなんですか!年何回行くんですか?」と聞かれると、月4回行っているのに「月…1回ですかね…」と濁してしまうのだ。飲み会中でも帰り道でも、野球の結果が気になり、勝ってるとうれしく、推しが活躍しているともっとごきげんなのです。このごきげんは次の日まで続くが、負けると次に日までふきげんなのである。帰宅後は、プロ野球ニュースを見るが、負けた日は見ない。寝る前にはSNSで現地に行っている人の写真チェック。
このようにプロ野球ファンはプロ野球のおかげで人生が豊かであり、生活どころか人生の一部になっているのである。なので野球のない月曜日はどうすごしたらいいのかわからないというあるあるもあったのであった。
ウォーカープラスで連載中の本作。プロ野球ファンのあるある行動を描いた作品に、X(旧Twitter)では、「自分自身を見ているようで笑ってしまった」「応援している球団は違えど、生態は同じですね」「全部当てはまっている!」といった共感の声が多く寄せられた。
――「プロ野球を愛しすぎている人たちの生態:第一回戦」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私は広島県でフリーのイラストレーターとデザイナーをしています。
広島県では広島東洋カープやドラゴンフライズなどスポーツが盛んでして、私もスポーツ(特に野球とマスコット)が大好きです。それらスポーツの観戦レポ漫画や日常のあれこれをXやInstagramなどのSNSに投稿していました。
ある日、それを見たウォーカープラスの編集さんから「プロ野球ネタの投稿の数々に同じプロ野球ファンとして共感しました。プロ野球をテーマに漫画を描きませんか。」とメールで声をかけていただいたことが連載のきっかけです。
はじめは嬉しい気持ちと共に私に務まるか不安に思っていましたが、編集さんのプロ野球愛が強くてそれが面白くて。いつも球場の外野席に座っているような「プロ野球を愛しすぎている人」でした。
お話を聞いているうちに「こんなにプロ野球愛のすごい人と一緒なら絶対面白いものが描ける!!」と思いこちらもノリノリになりました。
編集さんとは連載にあたってあるあるのネタ出しを会議をするのですが、毎回その時期の推し選手の調子の話をしたり、順位の話やトレードの話をしたり…。その時の会話やメモも面白いのですがみなさんにお見せできないのが残念です。
――「 プロ野球を愛しすぎている人たちの生態:第一回戦 」の中で気に入っているシーンがありましたら、理由と共にお教えください。
2、3ページの居酒屋のシーンですね。スポーツファン以外の方には全く馴染みがないと思いますが、試合のある日の野球ファンは展開が気になってソワソワしています。反響も大きかったですね。
「ホームラン打たれた」のコマは書いていて楽しかったですが色々と思い出して胸がギュっとなりました。悪いことばかりじゃなく応援しているチームの良いこと(点を入れた〜)なども通知されるのですが、自分が飲み会など行っている日に限って「ホームラン打たれた」「ノーアウト満塁」など怯えるような通知が頻繁にくる気がします。恐ろしい…。
――「 プロ野球を愛しすぎている人たちの生態 」では、多くの「分かる!」という反響が寄せられていますが、さとうもぐもさんが嬉しかったり印象に残っているコメントがありましたらお教えください。
引用RTなどでいっぱい「私だ…」と言ってもらえるのが嬉しいです。毎回私のSNSの通知欄が「私だ…」だらけになります笑
印象に残っているものが2つあって、
・1話:個人的に小さい小ネタを忍ばせるのが好きなのですが、3ページ目の主人公の鳥が行く居酒屋の名前を小さく書いていたところそれに気づいて『「三者凡退」って店名良いですね〜行きたいです』というようなことをコメントしてくださったかたが数名いて嬉しかったです。
・6話:推しが戦力外通告された話です。この話は私の実話も入っているのでかなり思い出深いです。「毎回あるあるって笑いながら見てたもぐもさんの連載。今回は泣いちゃう方のあるある」とコメントをいただいたのが印象深いです。他にも「推しは推せるうち…なんて普段は思っていても、いざその時ってほんとに悲しい」など、まさにその通りだと思いました。引用を読んでいるといろんなかたの推しが戦力外になった時のエピソードがあって、思い出してわたしまでうるっときてしまいました。
――さとうもぐもさんの思うプロ野球の魅力をお教えください。
「最後まで何が起こるかわからない」ことでしょうか。
たとえはじめに圧勝していたとしても相手チームの采配や選手の調子などでいくらでも結末が変わります。毎回ハラハラします。
ひとつひとつの試合や選手にドラマがあり、それをファンのみんなで泣いたり笑ったり、次はもっと応援頑張ろうと思ったり…たくさんの感情を世界規模で共有できるのが魅力だと思っています。
他にもチームを応援する球団マスコットやチアのかた、スタッフさんたちにもドラマがあって、それぞれみんな野球への愛があって支えています。私はその愛がある様子を見るのが大好きです。
あとは日常生活でも、同じ野球が好き!という友達や仲間が増えるのも魅力でしょうか。
隠していても、1話のような居酒屋で通知を気にしていたり、相手の持ち物の色や番号などから「あっこの人多分野球ファン仲間だ…」と察することができる能力がプロ野球ファンになると備わります。
年齢差を問わず仲良くなれることも多いので、共通の話題ってすごいなと。
―― さとうもぐもさんの今後の展望や目標をお教えください。
プロ野球ファンを増やしたいです。
昨今野球人口が減っていると言われるなか、どんな理由でもいいのできっかけが無いとプロ野球に興味をもつことって難しいと思うんです。
私自身もプロ野球ファンになったきっかけは、母親が偶然デパートの懸賞で当てたカープ選手のでっかいA2写真パネルを見て「この人かっこいいな…」と惚れたことでした笑。
野球に興味のかたにも野球に興味のないかたにもどうにか何かきっかけを…と思うと、「プロ野球を愛しすぎている人たちの生態」はとても触れやすい漫画だと自分では思っています。
もっとたくさんの方に漫画を読んでもらって、プロ野球ファンのかたを増やしたいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも「プロ野球を愛しすぎている人たちの生態」を読んでいただきありがとうございます!
これからもたくさんのあるあるをお届けしますね!
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