<ブラックファミリア>福田浩之Pが明かす制作秘話と裏話 板谷由夏の表情に隠された意外な真実「『何お前が泣いてんねん!』っていう顔です(笑)」

2023/11/23 05:00 配信

ドラマ インタビュー

「ブラックファミリア~新堂家の復讐~」第8話より(C)ytv

新堂家は「ファミリー感がすごく強い」


――以前、「『運命じゃない人』という映画を観て一目ぼれをした板谷由夏さんに主演をお願い出来るなんて、運命」と仰っていました。撮影が進むにつれて改めて感じた板谷さんの魅力を教えてください。

今回は、タイトルに“ファミリア”とあるとおり家族の復讐劇で、娘が亡くなったがために普通のお母さんが復讐という狂気に走っていくストーリーです。実際板谷さんにもお子さんがいらっしゃり、すてきな母親であるというところが主人公の一葉と通じています。板谷さんはドラマ初主演ということですが、現場のキャスト・スタッフのチームの中においても母親のようなポジションで、周りを優しく包み込んでくださっています。

一葉には本当に不幸なことばかりが起きるので、演じるのはかなり大変だと思うのですが、現場のスタッフで元気がない様子の人がいたら声を掛けてくださるなど、大変すてきな座長です。初主演で板谷さん自身が一番大変なはずなのに、まずみんなに楽しんでもらいたいという思いがあるようで、キャスト・スタッフ全員のことを本当に家族のように思ってくださっているのが伝わるし、そこに助けてもらっています。みんなのファミリー感がすごく強い現場です。

――山中崇さんの印象をお聞かせください。

僕と山中さんは戦友に近い感じで、本当に24時間台本のことについて話をするような仲なんですよね。他の役者さんでも、せりふやキャラクター性について話し合う方はいるのですが、山中さんはトータルで、「こうした方がこのドラマ全体が盛り上がる」「この展開よりもこうした方がいい」と、一緒に物語を面白くしようと考えてくれるので、すごくありがたいです。常にフラットにディスカッションをしています。とても熱い人です。

――森崎ウィンさんの印象をお聞かせください。

森崎さんは、自分の役をどう楽しむかということにものすごく特化していて、自分が演じる役のことを誰よりも好きになってくれる人です。どう演じたら優磨という役をより楽しめるかというアプローチが、結果的にキャラクターの魅力にもつながっているんですよね。あの演技は、見ていて楽しいです。韓国語も自主的に覚えてきて、アドリブで喋ったりされるんですよ。

僕は、ご自身が演じるキャラクターのことを愛しているからこそ出る役者のアイデアは、基本的に採用しようと思っています。特に今作はオリジナル作品なので、先ほど言ったように“自分が生みの親”という観点で言うと、そういった声に耳を傾けることが“親離れ”だと思っているんですよね。最終的に自分の手から離れた方がそのドラマが面白くなることも分かっていて。

森崎さんは結構早いうちに“親離れ”してくれたので、僕の知らない優磨を見ている感じで、正直半分は寂しいですが、うれしい気持ちが大きいです。

――渡邉理佐さんの印象をお聞かせください。

渡邉さんは、お会いするのが初めてでしたが、すごく心が強い方だなと思いました。沙奈という役もすごくつらい役で、襲われたり、闇営業の悪い大人のところに潜入したりと演じる上で結構しんどいはずなのですが、その苦労を現場で絶対顔に出さないんですよ。それは、アイドル時代の経験があるからかもしれませんが、弱音を吐くことも絶対ないですし、何でも吸収したいというガッツを感じます。肝が据わっているなと思います。

――星乃夢奈さんの印象をお聞かせください。

星乃さんは、本当に明るい子で、すごくかわいらしいです。クランクインのときから新堂家の皆さんのことを「お父さん!お母さん!お姉ちゃん!」と呼んでいて、人懐こくて。「この子があんな不幸な死を遂げたなら、それは復讐するわ」と思えるくらい、とってもいい子なんですよ。なので、梨里杏が星乃さんで本当に良かったなと思います。

新堂家の回想シーンも、やっぱり星乃さんのおかげでみんなが自然と笑顔になるんですよね。星乃さんがこの家族の一番中心にいて、みんなに愛されているというのが画面からすごく伝わるんです。現場でもみんなに愛されている子です。