コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家として活躍している三堂マツリさんの『罪の鍵穴』だ。
三堂さんが11月3日に同作をX(旧Twitter)に投稿したところ、3.2万件の「いいね」を獲得。少しダークな世界観や「罪」をテーマにした内容に、読者からは多くの反響が寄せられている。そんな作者の三堂マツリさんにインタビューをおこない、作品が生まれた背景やこだわりについて語ってもらった。
「何が見える?」「メイドたちがキスしてる」――
鬱蒼とした森に佇む“不思議な扉”。その鍵穴を覗いているのは少年のオスカーとビリーは、2人で「変なの!」と言いつつ翌日も森にくる約束をした。
そもそも扉を見つけたのは1週間前のこと。2人で他愛のない会話をしながら森の中を歩いていたところ、唐突に木の扉が現れた。押しても引いても開かないが、鍵穴だけは覗ける。2人で覗いてみると、そこには男が墓荒らしをする様子が。他にもソーセージを盗む猫、放火の瞬間など日によって扉の向こうで繰り広げられる出来事が変わっていく。
覗いた内容の共通点を推理したオスカーは「罪を見せる鍵穴じゃないか」と仮説を立てる。翌日2人で扉の前を訪れ、ビリーが鍵穴を覗くとオスカーが誰かの首を締めている様子が現れた。横に立つオスカーは不敵な笑みを浮かべながら「何が見える?」と聞いてくる…。
不思議な扉を巡る2人の展開に、読者からは「ファンタジーのような、ホラーのようなクセになる世界観」「気づいたら没頭して読んでた」など好評の声が多数寄せられていた。
――『罪の鍵穴』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
まず、森の中を舞台にしたかったというのがあります。これまでの創作作品には家の中や住宅街を中心にしたものが多かったので、今回は自然を舞台にしようと思い立ちました。
そして森という神秘的な場に、同じく秘密を内包する「前思春期の少年たち」と「開かない扉」を出そうと決め、ストーリーを考えました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
森の中は特に試行錯誤しながら描いた部分です。鬱蒼とした雰囲気が出ていればと思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
16ページ目のオスカーの台詞「何が見える?」です。1ページ目のビリーの最初の台詞も同じなのですが、意味合いが全く別のものに聞こえるようにしました。
――素朴な疑問ですが、作中に登場した「扉」はなぜ開かなかったのでしょうか?
鍵が掛かっていたからです。鍵穴の向こうの様々な罪は自覚的であれ無自覚的であれ当人たち以外には秘められていますので、開くことはありません。
――同作も含めてダークな雰囲気の作品が多いですが、物語の構成やアイデアはどのようにして考えているのでしょうか?
おそらく自分の好む世界が少し仄暗いのだと思います。そこから、さらに好きなものを寄せ集めて物語を構成しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
引き続き描きたいものを描いていきたいです。どこかワンシーンや1人のキャラクターでも印象に残るような作品作りを目指して執筆活動に励みます。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも作品をお読みいただき、また温かいご感想やメッセージなども本当にありがとうございます。今後ともお楽しみいただけましたら幸いです。
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