しかし、4千万という大金を未成年のココが真っ当な方法で作れるはずがなかった。必死にお金を稼ぐ方法を調べ上げたココは、悪ガキを集めて窃盗団を作るだけにあきたらず、それで集めたお金を軍資金に金持ち相手の犯罪代行サービスを始めるなど、さまざまな犯罪に手を染めることとなる。
だが、そんな努力が水の泡になるような出来事が起きた。赤音が死んだのだ。大事な人を救えなかったココに残ったのは、お金目当てに近寄ってくる人間だけ。赤音が助からなかったのはココのせいじゃない。だが、「オレにもっと金があれば…」と自分を責め続けるココは今もなお、お金に囚われ続けている。
そのため、お金にならない東卍を抜けて、天竺に来るように誘ってくるココに「オレは“赤音”じゃねぇ」「赤音はもう死んだんだ!」とイヌピーは強く訴えるが、その声は届かない。イヌピーの頬に優しく触れ、「赤音さん… 今のオレ見たら そんな顔で怒ってくれたのかな?」と呟くココの姿が切ない。
図書館でお金を稼ぐ方法を調べていたココ。様子を見にきたイヌピーが寝てしまい、ココはその口にキスをした後、泣き崩れた。その場面も大きな反響を呼び、SNSでは「ずっとアニメになるの待ってた」「イヌココ尊い」「イヌピーとココのキスシーンは衝撃的!」「ココがお金に執着していた理由が泣けてくる」「ココくんの心が救われて欲しい」といった感想が呟かれた。
一方、他の東卍のメンバーはそれぞれ苦戦を強いられていた。なにせ、天竺にはイザナが少年院で出会った極悪の世代が揃っている。抗争を遠巻きに眺めながら、稀咲に彼らの罪状を語るイザナ。喧嘩を止めに入った警察官をボコボコにしたモッチー(CV:稲田徹)は公務執行妨害、喧嘩相手を脊髄損傷で下半身不随にしたムーチョ(CV:小野大輔)は傷害の罪で少年院に収監されていた。
その中でも、群を抜いてやばいのが灰谷兄弟の蘭(CV:浪川大輔)と竜胆(CV:下野紘)だろう。彼らは当時、都内最大の暴走族だった六本木“狂極”の総長と副総長とタイマンを張った。その際、竜胆に関節技をかけられた副総長の顔面を殴り続け、顔面陥没と頭蓋骨骨折で死に至らしめたという。
そんな彼らに立ち向かうのは“アングリー”こと、ソウヤ(CV:河西健吾)と八戒(CV:畠中祐)だが、二人は末っ子同士。これまで兄や姉に甘やかされて育った彼らはどうにも息が合わない。絶体絶命のピンチだが、「あーあ スマイリー/ユズハならわかってくれるのに」と口を尖らせる二人の姿は微笑ましかった。しかし、やられっぱなしではない。次回は、即席で末っ子同盟を組んだソウヤと八戒の反撃が始まる。
※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」
■文/苫とり子
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