――中本さんは芸能活動をスタートしてから約5年になりますが、ご自身でこれがターニングポイントになったと感じる出来事はありますか?
やっぱり、「PRODUCE 101 JAPAN」というオーディション番組に出演させてもらって、韓国で練習生期間を過ごしたことですね。他の練習生たちと共同生活というものも初めて経験しましたし、携帯もなく、歌とダンスに真剣に向き合う時間しかない、という状況でした。
とにかく練習の日々で、韓国のアイドルにとってはこれが当たり前なんだということを身をもって知ることができましたし、練習することの意味や大切さを学びました。
俳優の活動としては、つかこうへいさんの「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」に出演させていただいたことが大きかったです。全キャストが身を削りながら全ての感情をステージ上でさらけ出していて、あの作品に触れたときは本当に痺れました。
あのときの芝居はやばかったなと、今でも思い出すくらい、ずっと忘れられない作品になると思います。当時は主人公の弟役として出演したのですが、いつか同じ作品で主人公を演じてみたいです。
――では、自分で感じている俳優としての課題をあげるとしたら?
今は舞台に出演させていただくことが多いので、舞台でのお芝居の仕方に慣れてしまっていて、映像作品のときに、芝居が大げさになっていると注意されることがあるんです。映像作品ではナチュラルさを求められて、舞台ではオーバーさを求められる。そこの切り替えに苦戦しています。
あとは、芝居における発声の基礎的な部分も、自分には足りていないと感じますね。ただ、“リアルな芝居”を追求するなら、発声方法を知ってしまうことでリアルではなくなってしまうんじゃないかなとも考えていて。そのラインを見極めるのがすごく難しいです。
――最後に、中本さんが描く将来のビジョンを教えてください。
グランドミュージカルに出ることです。一番好きなのは芝居ですが、自分の武器は歌なので、好きなものと武器の両方を生かせるのはやっぱりミュージカルなのかなと。今年はオフ・ブロードウェイ作品にも出演させてもらいましたが、どんどんレベルアップしてグランドミュージカルにも出演できたらと思っています。
ブロードウェイ作品って海外特有の面白さや楽しさがあって、そのノリが僕はすごく好きなんですよね。だから、その価値観や魅力をもっともっと日本に浸透させていけるように、その先駆けとなる俳優を目指したいです。
◆撮影=渡会春加/取材・文=榎本麻紀恵/ヘア&メーク=田中宏昌/スタイリスト=齋藤良介
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