ドクターは、大親友でもあったドナと二度と会えないことを寂しく思っていた。対してドナは、愛する家族と一緒で幸せだが、「何かが欠けている」という思いを抱き続けていた。そんな2人が再会したのは、ただの偶然なのか。
そんな謎を頭の片隅に置きつつ、ドクターとドナのやりとりが実に軽快で楽しい。ドクターが“親友”と言い切るドナは、おしゃべりで大胆。その性格が戦いで発揮されるときはとても心強い存在となる。
ドクターとドナのことは、作中でもドクターの言葉や会話で説明がされるため、シリーズ未見でも追いつけるのだが、知識があればということもやはりある。
まず、ドナの母シルビア(ジャクリーン・キング)はドクターのことは覚えている。危険なことから娘を守りたいと思ってきたことが言葉の端々から分かり、シリーズのつながりを感じるところだ。
そして、ドナとの再会場面で娘がローズという名前であることにドクターが驚いたのは、10代目ドクターのコンパニオンの1人と同じだったから。ドクターとの記憶がないはずのドナがローズと名付けたのは…。また、今回のローズはトランスジェンダーで、現代の物語に即した多様性を取り込んだ存在でありつつ、クライマックスで出てくる言葉と「ドクター・フー」の世界観につながっていく。
宇宙のエイリアンたちとの戦いシーンでは、最新の技術力が発揮され、舞台となるロンドンの街に豪快な演出が。ターディスの中も美しいデザインとなっており、SFドラマの金字塔の新作にふさわしい仕上がりにワクワクする。
本国イギリスでは、配信スタートとなった現地時間の25日にSNSのトレンドランキング1位になり、その勢いは広がって世界ランキングでも1位を獲得。日本のフーヴィアンからは「最高に面白い」「デヴィッド・テナントのドクターは良い」「やっぱりドクターとドナは名コンビ」「ドナさん、あいかわらずサイコー」「王道と、多様性を持ったキャラクターがみんなかっこよくて最高だった」といった声が寄せられている。
「ドクター・フー:スター・ビースト」は、ディズニープラスで独占配信中。「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」は12月3日(日)より、「ドクター・フー:ザ・ギグル」は12月10日(日)より独占配信開始だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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