コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“ケガをしたヤンキーを同級生が心配する話”を描いた漫画『ケガをして動けない金髪ヤンキーを見つけた話』をピックアップ。
作者である漫画家の此ノ木よしるさんが、2023月9月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、1.3万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では此ノ木よしるさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
“金髪のヤンキー”として知られている、見た目が少しヤンチャな星くんが、階段の下でうずくまっていた。おさげ髪にメガネをかけた真面目そうな女子・進藤は、傷だらけの星くんを見て「まさか…ケンカして!?」と心配そうに駆け寄る。
「な…なんでもねーよ」と誤魔化す星くんだったが、「星くんが死んじゃう――!!」と進藤は泣きながら抱き着く。「この程度で死ぬかよ」と言い放つ星くんに対し、進藤は「どうしてケンカなんて…ケガの具合ちょっとよく見せて?」と星くんの顔に自分の顔を近づけた。
思わず顔を真っ赤にして照れる星くんをよそに、進藤は「っていうか手当てしなきゃ」と保健室に連れて行こうとする。その瞬間、星くんは進藤の腕を掴んで「い…痛くてすぐ動けねーから…」「もうちょっとそばにいろ」と引き留める。
そして2人がやり取りをする中、陰でその様子を見ていた星の友人・ナオは、“星くんよそ見してて階段から落ちただけなんだけど…”“まあ…黙っててあげよっと”と静かに見守るのであった――。
この一見“ミスマッチ”な金髪ヤンキーとおさげ髪の女子高生のやりとりに、ネット上では「心臓止まっちまったじゃねぇか」「尊い時間をありがとうございます」といった感想が寄せられている。
一方で、「階段から落ちたって本当のこと言わない星くん…意外と策士!」「星くんの“進藤と一緒にいたい”っていう気持ちが溢れ出ていて、かわいすぎる」「自分の置かれた状況を最大限に活かすなんて、星くんクレバーだね!」「素直でよろしい」など、星くんに関するコメントも多くあがっていた。
――『ケガをして動けない金髪ヤンキーを見つけた話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
この話は『金髪ヤンキーと罰ゲーム』というX(旧Twitter)向けに描いているシリーズのエピソードの一つになります。そもそものところとしては、『進撃のえろ子さん』という歳の差カップルのお話を「ヤングアニマル」(白泉社)で描いているのですが、その歳の差カップルのifストーリーとして「もしも二人が同級生として出会っていたら…」と考えたセルフスピンオフ作品になります。
この『金髪ヤンキーと罰ゲーム』シリーズはスピンオフではあるのですが、商業作品というわけではなくX向けとして個人で描いている形です。
――本作では、星くんの「痛くてすぐ動けねーから…もうちょっとそばにいろ」というセリフや表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
怪我をしているヤンキーが好きなので(?)、最初の階段で倒れているシーンの作画は頑張りました!
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
いろいろ頭の中でキャラクターの掛け合いを思い浮かべるのが普段から好きなので、ふと自然に頭に浮かんだものの中から楽しんでもらえそうなものを選んで、漫画として書き出している形になります。
――此ノ木よしるさんの作品は、人物の表情がとても丁寧に描かれているため、そのキャラの心情などがわりやすいように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
ありがとうございます。意識していることとしては、セリフを読まなくてもなるべく絵だけで何が起きているかわかるようにしようとはしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
『金髪ヤンキーと罰ゲーム』のシリーズは、もともと白泉社から出ている『進撃のえろ子さん』という作品のX(旧Twitter)向けセルフスピンオフという形になっています。
本編である『進撃のえろ子さん』ともども楽しんでもらえるよう頑張りたいと思います!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
このお話に出てくるヤンキーの“星くん”ですが、元々は白泉社で描いている『変女』『進撃のえろ子さん』に出ているキャラになります。気に入って頂けたらそちらも読んでいただけると嬉しいです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)