コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ネットラジオ「禍話」初のコミカライズとして話題の人気作品「禍話 SNSで伝播する令和怪談」の中で、特に人気の高かった「模型上の死」をピックアップ。
作画を担当した大家さんが11月10日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて約3000のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、大家さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
一等地の中心に建っている“いわく付き”の廃ビル。ある人によれば、深夜ビルの2階に明かりが灯って何十人もの人影が喧しく騒いでいたらしい。
私は、友達とその廃ビルに行く約束をした。夜出かけることになるため、お父さんには「花火をやることになった」と嘘をついた。
約束の日の朝方、部屋で寝ていると、お父さんがかなり焦った様子で部屋に入ってきた。そして、何も知らないはずのお父さんに「絶対にあのビルには行くな」と言われた。
お父さんいわく、妙な幻覚が見えたらしい…。
ベッドのすぐ側に“模型のようなビル”が建っていて、そのビルの屋上から女の子達が飛び降り、頭身のおかしな女がビルの下をのぞき込んで笑う。それを何度も繰り返すのだ。しかも、その女の子達の中から私の声が聞こえたらしい。おそらく、一緒に逃げていたのは私の友達だと言われた。
結局、私と私の友達はそのビルに行くのをやめた。
お父さんが見た女の正体、そしてビルのいわくは今でも謎である…。
女子高生の父親が見た恐ろしい夢に、読者からは「完璧な怖い話」「背筋に寒気が…」など、多くのコメントが寄せられている。
――原作であるネットラジオ「禍話」を初めて聞いた時の感想をお教えください。
禍話を初めて聞いた時、長時間延々と怖い話を喋るこのキャスは一体なんだ?という衝撃がありました。語り手のかぁなっきさんお一人からなぜこんなに膨大な数の怖い話が語られるのかと得体の知れない恐怖を感じましたが、リスナーの方のリライトなども盛んで、とても多くの方に愛されているラジオなんだと毎週放送が楽しみになりました。
――ネットラジオ「禍話」をコミカライズするうえでこだわった点や意識したことがあればお教えください。
静かな日常の中にどろりとした違和感を出せるように、登場人物の生活感を丁寧に描写するように心掛けました。また、禍話の魅力の一つとして怪異や曰くについて特に詳しい説明がない点がありますが、読者が自由に解釈できるような余地を漫画でも表現できるように制作しました。
――「模型上の死」の中で特に気に入っているシーンがあれば、理由と共にお教えください。
おもちゃのような人間が何度も繰り返し飛び降りるという情景があまりに異質で個人的に好きなシーンでした。その傍で、娘のために何もできずただ見ていることしかできない父親も好きなシーンの一つです。
――「何回も読み返してしまう」「怖くて楽しい」など読者からの大きな反響がありました。
コメントを読んだ時のお気持ちをお教え下さい。
「模型上の死」は私も大好きなお話で、多くの方に怖いと共感していただけて嬉しかったです。なぜビルに行こうとした本人ではなく父親が体験したのか、なぜ模型が現れたのか、女は何者だったのか…いろんな解釈ができるお話だと思うのですが、自分なりの正解を見つけるとより楽しめるのではと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
大変ありがたいことにコミックス第2弾の制作が決定いたしました。引き続き作画を担当させていただけるということでとても光栄です。禍話の一リスナーとして、これからもなんらかの形で禍話に関わっていきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
禍話の世界観を少しでも漫画の中で再現できるよう努めて参りますので、禍話の別角度からの楽しみ方の一つとしてお付き合いいただければと思っています。コミックス第2弾も着々と進行しておりますので是非お楽しみに!
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