この日の極上宿「宇奈月温泉 延楽」は、ミシュランガイドにも掲載されている老舗旅館。「宇奈月温泉 延楽」は、創業者・濱田竹次郎が黒部峡谷の美しさにほれ込み開業し、ミシュランガイド掲載の純和風宿だ。2人は、重厚感あふれる空間に圧倒されていた。
エメラルドグリーンの美しい黒部川が一望できる「文化サロン」は宿自慢のスペースで、ピアノのコンサートもされることもあるという。華美ではないものの美術品が飾られた品格あるサロンの景観に、小田井も「美術館のよう」と感じ入ったようだ。
落ち着きのある雰囲気は、当然客室でも感じることができる。案内された純和風の客室では正面に黒部川を眺めることができ、秋には一面の紅葉を楽しめるそうだ。また内風呂は壁一面が大きな窓になっており、開放することで半露天風呂に。黒部川のせせらぎを聞きながら、雄大な緑と木々の香りをじっくり独り占めできる。
同旅館は創業者が料理人であったということで、料理にもこだわりがあるという。創業以来受け継いでいるという「旬彩会席」は、地元の食材を板長の技で仕上げる逸品ばかりだ。
お造りに出てきたノドグロの刺身をひと口すると、2人の顔にぱっと笑みが。食中酒として出された日本酒・勝駒を飲んでいた小田井があまりのおいしさに、「これは勝駒をかちこみしないと(=飲まないと)だめですよ」と小ボケを1つ。しかしなんと、肥後より早く女将から「かちこまりました(=かしこまりました)」と返しが飛び出した。
肥後が「座布団1枚」と喜び、小田井は「女将来た時から思っていたがちょいちょいダジャレ言いはるんです」と嬉しそうに和気あいあいと食事を楽しむ。
この日のメインは、秋の味覚・紅ズワイガニ。カニ身のほぐし方をレクチャーされた小田井が、まずはなにもつけずに味わう。するとダメージを受けたように後ろに弾かれた小田井は、満面の笑みで「うわっこれ…これ美味い!」と大絶賛。肥後も同じくプレーンのカニ身を口に含み、日本酒で追いかける。
肥後はまさに感じ入ったようで、「いや贅沢だ…小田井さん贅沢だよ今回の旅は…」「贅沢でしょ?日本酒行きましたでしょ?」「いった!」「合いましたでしょ?」「合う!」とツーカーのやり取りで感動を表現していた。
お笑い芸人といえば、通常はボケとツッコミで客を笑わせるのが商売。そしてダチョウ倶楽部といえば、「熱湯風呂」を使った「押すなよ押すなよ」などの“お約束”の流れが有名だ。
しかし今回は、小田井の友人としてやってきた肥後のプライベートな一面が覗いた。もちろんフリがあれば答えるのはお笑い芸人のサガらしいが、それでもボケに繋げるため、場を盛り上げるための無理矢理感はどこにもない。ただにこやかで穏やかな素顔で、小田井との旅を楽しんでいた。
そんな肥後のようすに感化されたのか、心なし今回の小田井は普段以上にリラックスしているように感じられる。だが肩肘張らず、旅先で出会うすべてに心から感動する2人の姿は非常にリアル。和気あいあいとした雰囲気が、いつも以上に番組を緩やかな雰囲気にしていた印象だった。
番組初の2人旅回。肥後は「これが最後かも」と言っていたが、懲りずにまた顔を見せて欲しいものだ。
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