コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はぷみらさんの『新人ナースが患者さんに採血するまでの試練』をピックアップ。
現役看護師であるぷみらさんは、看護の現場での経験や学びをもとにしたフィクション漫画を描き、それらをSNSに投稿してたびたび話題を集めている。中でも10月19日にX(旧Twitter)に投稿された『新人ナースが患者さんに採血するまでの試練』では、新人看護師に待ち受ける苦難の数々が描かれ、2300以上の「いいね」とともに読者から反響が寄せられた。この記事では作者であるぷみらさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
看護学校を卒業後、無事に国家試験に合格した新人ナース・ぷみらさん。しかし看護師になったからとはいえ病院に就職後すぐに採血できるわけではなく、まずは新人研修で採血モデルを使用して練習したあと、同僚同士で互いに練習を行うのだという。
同僚と何度も採血の練習をしながら、同時に点滴作成の練習や輸液ポンプの使い方を学ぶ新人ナースたち。日々看護技術を習得する中、ついに所属病棟が決定し、ぷみらさんは重症度が高いHCU(高度治療室)への配属が決まったのだった。
病棟所属当日、師長さんや先輩看護師たちへの挨拶を済ませ、病棟での新人研修がスタート。1ヶ月ほどが経ってだんだんと業務に慣れてきた頃、ぷみらさんはいよいよ採血の実務へと入っていくことに。そこで先輩看護師から「患者さんの採血の前に、病棟の看護師もしくは医師3人に採血し成功すること」という課題を出される。
先輩に針を刺すなんて…とプレッシャーに押しつぶされそうになるも「やるしかない…!」と意気込み、採血の準備を行うぷみらさん。血管を探し出し、意を決して針を刺す。しかし、血管内から注射器に血が返ってくる“逆血”が見られないことに気づいたぷみらさんは「やばい失敗したかもしれない」と頭が真っ白になって…。
新人ナースが患者への採血に至るまでの実情を描き、読者から反響が集まっている本作。先輩看護師の指導のもと1人目は無事に採血を終えるも、次に男性医師、気分屋の先輩看護師、そして実際に患者に採血するまでの苦難と緊張感あふれる様子を描いた本作に、X(旧Twitter)上では「採血って本当にすごい」「道のり半端ない」「なんかジーンときた」「裏ではこんな努力と葛藤を乗り越えてきてるって知るとありがたみが増す」「当たり前だけど大変なんだなあ」「人の体に関わるマルチタスクをパッパッと進めてしまう看護師さんすごい」「しっかり一発で決めてくれる看護師さんたちには脱帽」「日本の看護師さんたちありがとう」など多くの声が寄せられている。
――『新人ナースが患者さんに採血するまでの試練』を描いたきっかけや理由があれば教えて下さい。
看護師が患者さんに実際に採血するまでに、どんなふうに練習しているのかという裏側に興味がある方もいらっしゃるかと思い、描きました。
――新人看護師が直面する挑戦と成長を描いたエピソードに反響が集まっていますが、本作を描くうえでこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
普段看護師や医療従事者が当たり前のようにしている採血業務は、実はいろんな苦難を乗り越えて実施しているということを知っていただけると嬉しいなと思います。
――現役看護師であるぷみらさんも過去には患者さんへの初めての採血を経験されたかと思いますが、当時を振り返っての率直なお気持ちをお聞かせいただけますか?
「失敗したらどうしよう」という不安が大きかったです。採血は痛みを伴う行為なので、可能な限り失敗はしたくないと必死でした。何度もシュミレーションをし、練習していました。
――本作の中でぷみらさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?
採血が終わった後に、患者さんに「これからも頑張ってね」と応援してもらったことです。看護師は患者さんの協力があってこそ、成長していきます。そんな患者さんに感謝しています。
――ぷみらさんは本作以外にも『延命治療を拒否した父の最期の望み』や“看護師あるある”マンガなど多くの作品を描かれていますが、実際の経験を元にした物語をコミックエッセイとして描き上げるうえでこだわっている点や特に意識している点がありましたら教えてください。
漫画は私の経験をもとにしていますが、プライバシーの観点からストーリーもキャラクターも創作で作り上げてフィクションで描いています。
ただ、キャラクターの感情や想いは私が看護の現場を通して学んだことを参考にしています。
また、漫画を通して読者さんが「生きること」や「最期」について考えるきっかけになったら嬉しいなと思います。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
SNSや書籍などでたくさんの漫画が溢れる現代で、私の漫画を読んでいただき、本当にありがとうございます。私の漫画が、少しでも読者さんの心に響いたら嬉しいなと思います。
※漫画は作者・ぷみらさんの経験をもとに描かれたフィクションです
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