【漫画】“嘘が臭いでわかる”主人公「彼氏が宇宙人かもしれない」と相談を受け、真実を探っていく怒涛の展開に「想像もつかない」「めちゃめちゃ面白い」と大反響

2023/12/22 09:00 配信

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友人の変わり果てた姿に絶句…読者を虜にした怒涛の展開とは(C)田村隆平/小学館

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サンデーGXで連載中の「COSMOS」(小学館)から、人が嘘をつくと、臭いでわかる主人公が、同級生の失踪から恐るべき事実を知ってしまう『人が嘘をつくと、臭いでわかる高校生の話』をピックアップ。

「べるぜバブ」(集英社)を代表作に持つ、作者の田村隆平さんが11月17日に本作をTwitterに投稿したところ反響を呼び、8.1万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・田村隆平さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

噓が臭いでわかる主人公が「彼氏が失踪した」相談に乗った結果、まさかの展開に

人が噓をつくと、臭いでわかる高校生の話(6/76)(C)田村隆平/小学館


主人公・水森は、人が噓をつくと、臭いでわかる高校生。ある日、友人の間で、同級生の相澤が連絡も取れず、学校にも来ていないと話題になる。放課後、相澤の彼女・雛川に、相澤の家に一緒に行ってほしいと言われ、付いていくことになった。雛川は以前、相澤とSF映画を観ているときに「目隠ししてるみたいで感度高い」などと言う相澤を別人のように感じて、思わず「宇宙人かよ」と言ってしまう。その時に見せた表情がずっと引っ掛かっている上に、それ以来連絡も途絶えているようだ。

相澤の家の前に着くと、ドアの前にいかつい恰好をした大人たちが立っていた。恐怖を覚えた2人が身を隠していると、いつの間に彼らは消え、代わりに「少し話を聞かせてほしい」と制服を着たツインテールの少女が現れた。水森は少女から嘘の臭いがしないのを不気味に思う。合鍵を使って相澤の家に入っていく少女に、雛川は取り乱し「相澤の何⁉」と問うと「お金を貸している」とだけ彼女は答えるのだった。

3人で部屋を見ると、しわくちゃになってしまった相澤が横たわり、淀んだ空気が流れていた。雛川は逃げ出してしまうが、少女は「相澤は死んではおらず、抜け殻だ」という。「銀河金融保険公社 保険調査員」の穂村燐(ほむらりん)と名乗る少女は、状況が飲み込めない水森に、話を聞かせてほしいと頼んだ。相澤の消息を確かめるために、いろんな人から話を聞いているようだ。そこで、水森は穂村に相澤がいわゆる宇宙人”地球外生命体”だと告げられる。通称デデド星人といい、非常に好戦的で他惑星の侵略も行ったことがある特殊有害指定生物に認定されおり、近年では一定の交友関係が築けるものとし、地球にも移住するようになったと。

衝撃的な言葉を続ける穂村。「地球外生命体には、万一トラブルを起こした時の損害賠償のために、加入義務の保険がある。相澤は、120万もの保険料を借り入れる形で移住してきており、返済を2か月滞らせている。その貸し付け、生活の保障を穂村属する会社が行っている」と。宇宙人が借金をして、高校に通い、野球部に入っている話が理解できない水森。その瞬間、パンという音と共に窓ガラスが割れた。誰かが野球のボールを投げてきている。かなり殺意が感じられるボール…正体は野球部のエースである相澤だ。止めようと急いで電話をかける水森だが、止まらない相澤は電話に出ると、「その女から離れろ」と命じた。そこで水森は、「お前は宇宙人なの?」と尋ねると、「それはそうだけど…」と話し、部屋を出るように促した。

そこに、穂村が告げる。元々は保険金の査定に来ていたが、相澤には重大な規約違反の疑いがあると。その事実に水森も言葉を失うが、相澤は自分には関係ない話だという。相澤は穂村に「言ったよな。次、一歩でも動いたら頭を狙うって……」と忠告。対して穂村は相澤のバットを手に持ち、ホームランを予告する。そして――――

地球に異星人が住むようになって100年余りが経った。彼らはあるルールの下、その正体を隠して生きている。そのルールは「地球に異星の通貨を持ち込まない」。穂村属する銀河金融保険公社とはそのルールを守るために設立された組織。またの名を「COSMOS」という。穂村は水森の”嘘がわかる”という能力を買い、銀河金融保険公社に勧誘することに…。

後半にかけて、怒涛の展開に読者からは「めちゃめちゃ面白いやないかい……」「面白くて読みこんでしまった」といった「面白い」という声が続出している。「めっちゃ絵が好き‼」「絵がうますぎて」「絵が読みやすくて好き」と作者・田村さんの画力にも反響が寄せられている。

展開の読めない話の面白さに読者が虜に 作者・田村隆平さんに創作についてインタビュー

人が噓をつくと、臭いでわかる高校生の話(18/76)(C)田村隆平/小学館


――「人が噓をつくと、臭いでわかる高校生の話」を創作したきっかけをお教えください。

新しいマンガの企画を練っていたときに、「お金」を話の軸に入れたいと漠然と思っていました。いまの担当編集さんと打ち合わせを重ねる中で、その部分が「宇宙」や「保険」という切り口に繋がり、始まったのが『COSMOS』という作品です。この作品はサンデーGXで連載しているのですが、「人が噓をつくと、臭いでわかる高校生の話」は、この1話目をXに公開したものとなります。

――今回反響の大きかった「人が噓をつくと、臭いでわかる高校生の話」を描く上でこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

1話目だけで80ページあるのですが、なにより「読みやすさ」には気を遣いました。そこで読者にストレスが出ないようにしたかったです。あと、初めての月刊連載ということもあり、時間が許す限り背景含めた画面全体の「絵作り」にこだわっています。

――本作では、宇宙人や特殊能力の話が出てきますが、発想はどのようなところからくるのでしょうか。

「宇宙人とお金」にまつわる物語と決めたときに、人間ドラマ(宇宙人ドラマ?)に関わる部分が広がるかも、と「嘘が臭いでわかる」能力を主人公の水森に付けることにしました。

――本作に出てくるキャラクターのポイントなどございましたらお教えください。

エピソードごとに登場する様々な宇宙人を楽しんでもらえると嬉しいです。そして、水森&穂村を通して一緒にそのドラマを体験してくれるように頑張って描いていければと思います。

――今後の展望や目標をお教えください。

なにより、まず目の前の1話1話を面白く作ることを大事にしています。それが積み重なって、コミックスで読者に届けばな、と。

――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いします。

あたたかい声をたくさんありがとうございます。
月並みですが、「COSMOS」をこれからも応援していただければ幸いです!