日韓共同制作ドラマ「プレイ・プリ」プロデューサーにインタビュー 「ストーリーと音楽のバランスを取る事に気を配りました」

2023/12/08 17:30 配信

ドラマ インタビュー

音楽を通じて繋がった女子大生と超人気アイドル。誰にもヒミツの恋の行方は…?(C)HJ Holdings, Inc

現在、Huluで独占配信中の韓国ドラマであるHuluオリジナル「プレイ・プリ」は、女子大生と超人気アイドルのヒミツの恋を軸に展開されるストーリーが視聴者の心を掴んで人気急上昇。“Huluアジア・韓国ジャンルの週間ランキング”で1位を獲得した。この作品の原作は、2F(イエフ)作の韓国発webtoon「プレイリスト」(日本では「LINEマンガ」で配信中)で、数多くの海外ドラマを配信してきたHuluが、初めて制作したオリジナル韓国ドラマとなる。

「プレイ・プリ」は、家族愛や夢も描く青春ラブストーリー


覆面シンガー“プリ”としてカバー楽曲を動画サイトにアップしている、表向きは平凡な女子大生・ハンジュ役を、6歳から子役として活躍し、「最年少千万女優(映画の観客動員数が1000万人を超えた俳優の事)」とも呼ばれるキム・ヒャンギが、超人気アイドル“レビ”ことドグク役を、新人俳優オーディションで5000倍の競争率の中から優勝してデビューしたライジングスター・シン・ヒョンスンが演じている。

プリの歌を気に入ったドグクが彼女のSNSをフォローした事をきっかけに、音楽を通じて2人が関係を深めていく青春ラブストーリーだが、家族愛や登場人物の成長も描かれ、深みのある作品となっている。

この作品のプロデューサーを務めるイ・ミナ氏は、日本でも大ヒットし、新たな韓国ドラマブームのきっかけとなった「梨泰院クラス」のチーフプロデューサー。大ヒットメーカーのイ・ミナ氏に、主演のキム・ヒャンギシン・ヒョンスンの起用理由やウェブトゥーンの実写化について聞いてみた。

Huluオリジナル韓国ドラマ「プレイ・プリ」のプロデューサー・イ・ミナ氏(C)HJ Holdings, Inc


「プレイ・プリ」は、音楽とストーリーのバランスに気を配った


――今回、日本との共同制作という事で日本の視聴者を意識した点はありますか?

イ・ミナ 日本における韓国ドラマが好きな層というのは、従来は40代以上の女性が多かったと思うのですが、最近はMZ世代や男性にも広がっていると聞きました。今回の「プレイ・プリ」は青春ロマンス物なので、新たに韓国ドラマを見始めた若い方々の期待に応えられる作品にしたい、という想いで制作しました。また、日本のドラマはストーリー性が重視されますが、「プレイ・プリ」は音楽ドラマでもあるので、ストーリーとのバランスにも気を配りました。

――日本のドラマや映画をご覧になったりもされたんですか?

イ・ミナ 今回の為にではなく、日本の作品は常に欠かさずチェックしています。最近、印象に残ったのは、「プレイ・プリ」と同じく音楽を扱った映画「キリエのうた」。岩井俊二監督は、「Love Letter」を韓国で公開された当時に観て大変感銘を受け、以来好きな監督なので、興味深く拝見しました。

―今回の「プレイ・プリ」もそうですが、最近、ウェブトゥーン原作の作品が非常に増えている印象です。“ウェブトゥーンの実写化”のメリットと難しさは、どんなところでしょうか。

イ・ミナ 最も大きなメリットは、結末が決まっているので、最後まで方向性がブレる事無く作れるというところです。そして、すでに多くの原作ファンがいるので、ある程度視聴者が確保されるという事も良い点です。難しいのは、実写化の際には構成やキャラクターを補う必要がありますが、そこで原作のファンを逃さないように、また、新たな視聴者を取り込む事が課題となります。その点に最も多くの時間を割きますね。

「プレイ・プリ」より(C)HJ Holdings, Inc