俳優の福原遥と水上恒司が12月8日、都内で行われた映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」初日舞台あいさつに、共演の伊藤健太郎、嶋崎斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希、成田洋一監督と共に出席。作品へ込めた思いを語った。
本作は、シリーズ累計85万部を突破した汐見夏衛によるベストセラー小説の実写化。現代の女子高校生・百合(福原)が目を覚ますと、そこは1945年、戦時中の日本だった。そこで出会った彰(水上)に何度も助けられ恋をするが、彼は特攻隊員で程なく戦地へ飛び立つ運命だった。人を愛すること、大切に思うこと、共に思うこと。今では当たり前のことが許されなかった時代に出会った二人の時を超えた愛が交差するラブストーリーとなっている。
水上は作品について「この作品は、2時間という短さで戦争というものを描こうとしました。この作品に出ているのは本当に戦争のごくごく一部でございます」とコメント。「人類の戦争史上で、加害者と被害者がはっきり別れているというのはほとんどないです」と続け「そのことを踏まえた上で、今、日本が平和なうちに、その両方の立場を冷静に見ていただきながら、この映画をきっかけに戦争をもっと知ろうと思ったり、伝えていこうと思ってくださったら、今この時代に世の中に出した意味があると思います」と熱弁した。
福原は「改めて今日久々にキャストのみなさんとも会ったんですけど、本当にこのチームでよかったなと心からすごく思いました」としみじみ。さらに「水上くんも言っていた通り、一部ですけど、こういう事実があったということを若い方にももっとたくさん知っていただきたいですし、届けていきたいと思っています」と語った。
また、福原は本作を見て「普段、普通に生活していることが当たり前じゃない」と感じたと口にし「大切な人と一緒においしいごはんを食べたり、夢だったり好きなことをできている幸せをすごく感じた作品でした」と告白。続けて「みなさんも一日一日を丁寧に、そして自分の大切な人をもっと大事にできるような作品になっていたらいいなと思っております」と思いを届けていた。
◆取材・文=山田果奈映
※「嶋崎斗亜」のさきは、たつさきが正式表記