ロマンス作品の他にも、アクションやサスペンス作品などジャンルを問わず活躍。韓国最大の映画の祭典「青龍映画祭」で1999年、2001年、2008年に人気スター賞を受賞したのをはじめ、数々の賞を受けている。近年も、正義と野心の間で揺れる弁護士を演じた「無垢なる証人」(2019年)で同映画祭の主演男優賞を獲得。また、2023年は30年間同映画祭のMCを務めたキム・ヘスをねぎらうため受賞式に駆け付け、トロフィーを手渡す役を担った。このことからも、韓国映画界でのウソンの存在の大きさがうかがえる。
また、ウソンは日本のエンタメ作品と浅からぬ縁があることでも知られる。日本のドラマが原作の「私の頭の中の消しゴム」に出演したこともその一つだが、他にも韓国のベストセラー小説「カシコギ」を原作にした反町隆史主演ドラマ「グッドライフ~ありがとう、パパ。さよなら~」(2011年、フジテレビ系)に、原作のファンだったウソンが物語のカギを握る韓国人医師役で出演し、当時大きな話題を呼んだ。
さらに、“日本で初めて地上波ゴールデンタイムに放送された韓国ドラマ”として日本のドラマファンの注目を浴びた「IRIS-アイリス-」(イ・ビョンホン主演)のスピンオフ作品「ATHENA-アテナ-」に主演…など、何かと日本に縁のあるキャリアも、日本でのウソン人気の高さの理由の一つだろう。
第一次韓流ブームから現在まで、およそ20年にわたり変わらぬ人気を誇るウソン。
11年ぶりのロマンス作品挑戦だったという「愛していると言ってくれ」では、コミュニケーションに難しさを抱える40代の主人公ジヌが戸惑いながらも少しずつ自分の中にある恋の感情に気付いていく様子を、落ち着いた深みのある演技で表現。「私の頭の中の消しゴム」のチョルスのような全力でぶつかっていく愛情表現とはまた違う、見る側の心にしみわたるようなじんわり温かい表現で、“メロ職人”の名にふさわしい魅力を見せている。
近年は、監督としての活動も本格化。2000年と2002年に歌手グループ・god(ジーオーディー)のミュージックビデオを手掛けるなどプロデューサーとしての手腕ものぞかせていたが、2024年1月26日(金)公開のアクション映画「ザ・ガーディアン/守護者」でついに監督デビューを果たす。この作品では、奪われた最愛の娘を取り返そうとする主人公スヒョク役で主演も務めている。
そしてウソンといえば芸能活動の他、10年にわたり難民問題に心を寄せていることでも知られる。2015年からは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使として活動。レバノンや南スーダン、ロヒンギャ、ポーランドといった国々を訪れ、難民問題の啓蒙(けいもう)に努めてきた。2019年には、難民関連活動5年を記念したエッセー「私が見たものをあなたも見ることができるならば」も出版している。
長きにわたり映画・ドラマで活躍を続け、11年ぶりのロマンス作品「愛していると言ってくれ」では、孤独を背負う一人の男のひたむきな愛情を体現するウソン。その円熟味ある演技に加え2024年には映画監督としての顔も加わった彼の、今後の活躍からも目が離せない。
「愛していると言ってくれ」はディズニープラスのスターにて独占配信中(全16話/毎週月・火曜1話ずつ配信)。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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