ミッキーマウスやミニーマウスをはじめ数々の人気キャラクターを生み出したウォルト・ディズニー・カンパニー。2023年10月16日に創立100周年を迎え、アニバーサリーを記念して製作されたドラマティック・ミュージカル映画「ウィッシュ」が本日12月15日(金)に公開となる。同作の主人公は、願いがかなう魔法の王国に暮らす少女・アーシャ。アーシャが王国に住む人々の願いを取り戻すために奮闘していく本作では、彼女を脇で支える“相棒”子ヤギのバレンティノや、“いたずらな願い星”のスターといったキャラクターにも注目が集まっている。振り返ってみると、過去のディズニー・アニメーション作品には主人公やヒロインを助け、時には彼らよりも輝き、そして作品の枠を超えて世界で大人気となった個性的な“名脇役”が勢ぞろいしている。今回はディズニー作品を支える名脇役キャラたちの歴史を振り返る。
ディズニー・アニメーションの初期作品の1つである映画「ピノキオ」(1940年)では、ゼペットじいさんの操り人形の少年・ピノキオの“良心役”として任命されるのが、シルクハットと赤い傘がトレードマークのジミニー・クリケット。そもそも彼はこの物語のストーリーテラーも務めており、作品の冒頭では名曲「星に願いを」をしっとり歌い、本を開くところからストーリーは動き出す。
ジミニー・クリケットは純粋無垢なピノキオに降りかかるさまざまな誘惑から、彼を正しい方向へ導くとっても頼りになる相棒だ。また小柄な体で奮闘する姿には、キュンとするようなかわいらしさもあり、同作品には子ねこのフィガロをはじめ、愛されキャラクターが多い中、ディズニーを代表する名脇役の1人と言われている。
1953年公開の「ピーター・パン」では、主人公のピーター・パンと一緒に空を飛び回る妖精の女の子、ティンカー・ベルの存在も忘れられない。“ティンク”の愛称で親しまれる彼女は、ピーター・パンのことを大好きがゆえにとても嫉妬深く、ウェンディなど他の女性に対して攻撃的な一面も持つクセの強いキャラクターだ。気が強い彼女だが、宿敵・フック船長がピーター・パンたちに仕掛けた爆弾の贈り物から守るため、命がけで彼らを救う勇敢な姿も印象強く残っている。また、ディズニー作品のオープニングではシンデレラ城の上空をティンカー・ベルの妖精の粉が舞う映像が流れ、まさにディズニー作品のアイコン的な存在と言っていいであろう。
その後、「リトル・マーメイド」(1989年)では、ヒロイン・アリエルのお目付け役で同作の音楽シーンに欠かせないのがカニのセバスチャン。真面目で責任感の強い彼は、アリエルの父・トリトン王からの使命を全うし、好奇心旺盛なアリエルに毎回振り回されながらも、結局最後はお世話係に徹する優秀な働き者だ。さらに音楽家としての一面も持つセバスチャンは、名曲「アンダー・ザ・シー」の大合唱シーンで指揮をとっている。
1990年代になると、アカデミー賞作曲賞と歌曲賞をW受賞した珠玉のラブストーリー「美女と野獣」(1991年)、同じくW受賞の快挙を達成した恋と冒険を描く「アラジン」(1992年)といったディズニーの代表作が次々と世に送り出された。
これらの作品にも個性的で物語に欠かせない名脇役たちが名を連ねている。「美女と野獣」ではヒロインのベルに恋するうぬぼれ屋のプレイボーイ・ガストン。いわゆる物語の“ヴィラン”ポジションの彼は、傲慢な性格で残念なキャラクターとしてベルの引き立て役を務めている。
一方で「アラジン」にはディズニー・アニメーション界のNo.1エンターテイナーとも言うべき、ランプの魔人のジーニーが登場する。主人公のアラジンやヒロイン・ジャスミンのかたわらで盛り上げ役として活躍し、常に陽気でハッピーなジーニーは、見ている側も心躍るような気持ちにさせてくれる名バイプレイヤーだ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)