――卒業を控えた田中美久さんの最後の参加曲ということもあって、田中さんのセンターを予想していた声もありました。
石橋:私がもし美久ちゃんのファンだったら「なんで“いぶくる”なんだよ」という感情は絶対に芽生えると思うんです。美久ちゃんは今まで頑張って引っ張ってきてくれていたし、美久ちゃんのシングルでのセンターを見たいという方もいると思います。
でも、思っていた以上に、美久ちゃんのファンの方たちからの「いぶくるセンターはうれしい」という声が多くて安心しました。美久ちゃん自身も配信で「いぶくるがセンターでうれしい」「私たちで支えていこうね」と言ってくださったんです。美久ちゃんの優しさと、美久ちゃんファンの方やHKT48ファンの方の優しさで、私たちはすごく支えられているなと思います。
竹本:私も「美久さんがセンターなんじゃないかな」と思っていたところにセンターが私たちだと知らされたんです。任せてもらったからには「HKT48を引っ張っていけるよ」という、格好良い背中を美久さんに見せられたらいいなと思います。
――矢吹奈子さんと田中さんの“なこみく”のように、“いぶくる”がこれからのHKT48次世代を引っ張っていくことになると思いますが、ペアの相性はいかがですか?
竹本:なこみくさんは、同い年で身長も同じくらいで、2人とも明るくてフレンドリーな感じが似ているイメージなんですが、私たちは真逆なんです。年齢は私が2つ上で、身長は颯の方が高い。颯は明るいけど、私はちょっとおとなしいというところも全然違うなと思います。
なこみくさんが大好きだし、なこみくさんと同じWセンターというのもうれしいですが、「なこみくさんの良さもあるけど、いぶくるの良さもあるよね」と思っていただけるように、違う味を出していけたらいいなと思います。
石橋:ペアになると比べられることはあると思うんですが、「なこみくの方が良い」とか「いぶくるの方が良くない」とかではなく、今までなこみくさんが支えてくれていた部分は私たちが引き継いでいきながらも、“なこみくさんみたいに”ということではなく、“いぶくるらしく”引っ張っていきたいなと思っています。
――最後に今作を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。
石橋:私たちが初めてWセンターを務めさせていただく「バケツを被れ!」は、きっと心の支えになってくれるような歌なんじゃないかなと思います。少しでも多くの方を支えて、守ってあげられるような歌になるといいなと思います。
竹本:今回のシングルは今のHKT48にすごく合っている曲だなと思います。環境が変わって、今は「これからどうなるんだろう」と不安な気持ちのメンバーも多いと思いますが、歌詞に「どこに逃げようと安全な場所は見つからないから」「人生はサバイバル」とあるように、逃げずに私たちに今できることを挑戦して、失敗しても心の中でバケツを被って、新しい未来を切り開いていけたらいいなと思います。このシングルがたくさんの方に広まって、ファンの方が増えてくれたらうれしいです。
◆取材・文=山田健史