「スパイダーマン」最新作の魅力は“過去にこだわらない”潔さ

2017/08/07 18:00 配信

映画

リアルなアクションシーンも必見!(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.

過去の伏線には頼らない…お決まりの展開は省略!


サム・ライミ監督による「スパイダーマン」シリーズ(全3作)、その後の新たな“リブート作品”として公開された「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ(全2作)と、これまで5作にわたって実写映画化されてきたスパイダーマン。

全世界で大ヒットしたこれらの作品では、ピーターがクモに刺されて驚異的な身体能力を手に入れる過程や、両親を亡くし、自分を育ててくれた叔父の悲痛な死などを通して、“スパイダーマンになる過程”がいずれも丁寧に描写されてきた。

その一方で、「スパイダーマン:ホームカミング」では、こうした過程は一切描かれず、すでにスパイダーマンとして秘密裏にNYを飛び回るピーターが、“本当のヒーローになる過程”に焦点が当てられているため、これまでの知識は問われない。

部活、友情、恋愛と、われわれと何も変わらない1人の高校生が、ヒーローとしても、人間としても成長していく姿はごくごく身近に感じられ、共感できるはずだ。

過去の人気には頼らない…旬なキャスト勢ぞろい!


本作ではピーターを演じたトム・ホランドを筆頭に、注目の新キャストが華を添える。ピーターと共に住むメイおばさんを演じたオスカー女優のマリサ・トメイをはじめ、モデル・シンガー・ダンサーなど、多方面で活躍中のゼンデイヤ、モデルとしても活躍するローラ・ハリアーらがクラスメートとして出演。

旬なキャストによる身近な青春映画として楽しめる一方、今回宿敵となるバルチャーには名優マイケル・キートンが名を連ね、深みのあるヒーロー映画としても昇華されている。

過去の撮影スタイルには頼らない…リアルな雰囲気にこだわり!


そして、何といってもアクションが秀逸だ。公開後のDVDでも楽しめるかもしれないが、迫力のあるアクションをフルで堪能するには、劇場で見るのがベストだろう。

ジョン・ワッツ監督も「あり得ないようなショットを撮るビデオゲームのようなことはせず、実際に撮影できるショットしか撮影したくない」と語っていたが、ドローンや100フィートのクレーンを駆使し、子役時代から舞台で鍛えたトム・ホランドとアイデアを出し合って限界まで“リアル”にこだわった。

圧倒的な迫力のアクションがある一方、物理法則には勝てないスパイダーマンというのも、応援しがいがありそうだ。

そんなハイレベルなアクションと爽快感、そして感動に出合える“新スパイダーマン”。シリーズ初見でも、そもそもこういったヒーローモノに興味がなくても、“食わず嫌い”のような苦手意識を持たず、触れてみても損はしないはずだ。