コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、好きなものを似合う似合わない関係なく好きと言える男子高校生と言いたい女子高校生の話『盆栽の世話をする男子高校生と女子高校生』をピックアップ。
コミックDAYSにて「キリングライン」(講談社)を連載中の、作者・モリエサトシさんが11月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、7.3万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・モリエサトシさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
主人公・高校生の小関リサは、教室で栗ようかんを食べていた。クラスメイトに「似合わない、ギャップがすごい」と言われ、咄嗟に「購買に甘いのがこれしかなかった、おばーちゃんかよって!」とごまかす。本当は、栗ようかんが大好きだったため、「ごめん…」と栗ようかんに謝る。そこに、男子生徒たちの会話が聞こえてきた。クラスメイトの誘いに、亡くなったおじいちゃんからもらった「盆栽の手入れがあるから」ときっぱり断る須田。じじくさいと揶揄され続けるが、須田は「似合うとか似合わないとかどうでもいい 好きでやってんだから」と言い放つ。その言葉に心を打たれ、リサは配り忘れられたプリントを口実に、彼の後を追いかけていく。須田の家に着くと、庭で盆栽を手入れする彼の姿に目を奪われる。そんな中、いきなり須田に声を掛けられたリサは、庭に入り盆栽の種類について説明を受けることに。
盆栽に心を奪われたリサは思わず「かわいい…」とつぶやく。すると須田に、自分が作ったものを1つあげるから、育ててみたらと提案される。「好きだから似合わないとかどうでもいい」という須田の言葉を思い出し、盆栽「鎌塚 苔桃」を選んだリサに、須田はいいねと優しい表情を見せた。
リサは、須田が自分をそのまま受け入れてくれたことに喜びを見せる。盆栽を持つリサを横目に、似合わないといった声が飛び交うものの、気にする余地もない様子だった。家に帰り、「鎌塚 苔桃」について調べ、先ほど交換した須田のアカウントにメールを送る。そこから、2人は学校でも「鎌塚 苔桃」の成長を話題によく話すようになる。そして、彼女は友人の前でおいしいと栗ようかんを食べられるようになった。
ある日、木瓜が咲いたから見に来ないかと誘われ、再び須田の家の庭に訪れることに。ちょっと来ないうちに、違う庭に来たかのように変わった庭に感動を隠せないリサ。盆栽が映す世界を語る彼に、「いいなあ、須田はたくさんの世界を持っているんだ」と返す。須田はおじいちゃんと盆栽を育てていたときのことを思い出した。我に返りふとリサの方を見ると、須田が持つ広い世界を前に、目を輝かせていた。その姿を愛おしく思ったのか須田はリサに手を重ね、そのまま2人は…。
あまりにも甘い2人の関係の結末に「いいもん見た」「終わり方もきれい」「心洗われる」と反響。「好きなものを好きと言えるって素晴らしい」と共感の声も。盆栽の良さにも注目され、話題になっている。
――『盆栽の世話をする男子高校生と女子高校生』を創作したきっかけをお教えください。
もともと和風なものが好きで、ミニ盆栽が可愛いと思ったからです。
――本作に登場するキャラクターおよびキャラクターデザインへのこだわりがございましたらお教えください。
外見的特徴は洋風と和風をイメージしていますが、男の子が一重なことは私の趣味です。
――最後のシーンや展開に特に反響がございますが、モリエサトシさんが気に入っているシーンやセリフがございましたらお教えください。
1人では圧倒されてしまう世界に他人の存在によって光がさす流れは、盆栽の表現でうまく描けたのではないかと思って気に入っています。
――モリエサトシさんの作品では、世界観に引き込まれる読者が多いですが、どのような発想からきているのでしょうか。
そ、そうでしょうか、ありがとうございます。日常で、心の琴線に触れたもの、感じたことなどは流さずに心やメモに留めておくようにはしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
具体的には今連載している「キリングライン」という漫画に全力を注ぎたいと思っています。
全体的には、生きていて少し息が詰まっている人が読んで一息吐けるような漫画を描ければいいなと思っています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いします。
私の漫画を読んでくれてありがとうございます。
壁打ちで漫画を描き続けることはできないタイプの作家なので、頂ける反応は全て糧です。
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