韓国版「愛していると言ってくれ」で話題のシン・ヒョンビン、34歳ブレイクをもたらした確かな表現力

2023/12/19 07:10 配信

ドラマ 映画 コラム

「愛していると言ってくれ」第4話より(C) 2023 KT Studio Genie Co., Ltd/原作 日本のテレビドラマ「愛していると言ってくれ」(脚本 北川悦吏子・製作 TBS)


その後「ペク・ドンス」(2011年)、「Mimi」(2014年)、「推理の女王」(2017年)、「ミストレス~愛に惑う女たち~」(2018年)、「自白」(2019年)など数々の作品に出演し地道にキャリアを積んできたヒョンビンだが、その女優人生を大きく変える作品と出会ったのは2020年のこと。ドラマ「賢い医師生活」で外科唯一のレジデント、チャン・ギョウルを演じ、ブレイク。デビューからちょうど10年がたっていた。

最終回のキスシーンも話題を呼んだ「賢い医師生活」


「賢い医師生活」で演じたギョウルは、頭もよくレジデントとしての能力は高いものの、コミュニケーション下手で思ったことを口に出してしまうキャラクター。意識の回復が難しい子どもの患者の容体を母親に説明する場面で、助かる見込みが少ないとストレートに伝えてしまい、先輩医師に厳しく叱られる。

だが、勉強熱心な性格と恋が、そんな彼女を変えていく。片想いの相手は、かつて自分を叱った小児外科の医師アン・ジョンウォン(ユ・ヨンソク)。相手の気持ちを推しはかるのが下手なギョウルがジョンウォンのちょっとした言動に一喜一憂する姿は何ともけなげで共感を集め、シーズン1の最終回、クリスマスにジョンウォンとドラマチックなキスを交わすラストシーンは視聴者を熱狂させた。

この「賢い医師生活」で34歳にして人気女優の仲間入りを果たしたヒョンビンはその後、ソン・ジュンギ主演の話題作「財閥家の末息子〜Reborn Rich〜」(2022年)で名門出身の検事ソ・ミニョン役にキャスティングされ、正義感が強く大胆なキャラクターを好演。ジュンギ演じるドジュンとのロマンス演技も話題を呼んだ。

「愛していると言ってくれ」第4話より(C) 2023 KT Studio Genie Co., Ltd/原作 日本のテレビドラマ「愛していると言ってくれ」(脚本 北川悦吏子・製作 TBS)


非凡な感性と地道なキャリアが紡ぐ稀有な女優人生


34歳でのブレイクは、デビュー作でいきなり映画賞を獲得するほどの感性と、10年に及ぶ地道なキャリアに裏打ちされたものだ。出演中の「愛していると言ってくれ」の演技でも、そんな彼女の確かな表現力が堪能できる。

ジヌとモウンのコミュニケーションは手話と筆談、そして互いの表情を読むことで進むが、それでも、年齢差やバックグラウンドの違いに戸惑いながらも引かれ合う2人の感情のゆらぎははっきり伝わってくる。第一次韓流ブームから20年にわたりトップを走り続けるチョン・ウソンの演技力はもちろんのこと、そんなウソンと互角の存在感でモウンを演じるヒョンビンの力量も相当なもの。SNSでも「演技に引き込まれる」「表情豊かで本当に好き」と話題だ。

今作でその非凡な表現力を発揮する注目女優シン・ヒョンビン。彼女が演じるモウンとジヌの恋の行方をじっくり味わいたい。そして韓国版か日本オリジナル版か、友人同士でどっち派などと会話をしながら盛り上がるのも一興だろう。

「愛していると言ってくれ」はディズニープラスのスターにて独占配信中(全16話/毎週月・火曜1話ずつ配信)。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「愛していると言ってくれ」第5話より(C) 2023 KT Studio Genie Co., Ltd/原作 日本のテレビドラマ「愛していると言ってくれ」(脚本 北川悦吏子・製作 TBS)