コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、makaさんが描く『執事が姫に最期の告白をする話』をピックアップ。
2023年11月1日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、makaさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
とある国に、とてもお転婆なお姫様がいた。名前は“ロゼ”。幼い頃は、森の中を夢中で探検したり高い木に登ったりと、とにかくやんちゃな子だった。そして年頃を迎えた今でも、鳥の巣から卵が落ちていたら、高い窓から身を乗り出して元に戻してあげるような、優しくも危険を顧みないお姫様だ。
そして、お姫様には執事が仕えている。名前は“クロエ”。昔、ロゼに助けられて以来、ずっと慕い続け、ひそかに恋心を抱いている。しかし、お姫様と執事という立場から“秘められた恋”となっているのだった。
秘めた想いは伝えられずとも穏やかな日々を過ごしていたロゼとクロエだったが、ある日、お城が敵国の奇襲に遭う。クロエはロゼの手を引き、安全な場所まで避難させようとするが、追っ手に追いつかれてしまう。そして、追っ手がロゼに向かって剣を振り下ろしたその時、クロエは前に立ちはだかり、代わりに攻撃を受けてしまうのだった。
クロエは意識が朦朧とする中、自分の最期を覚悟していた。そして、このまま死んでしまうならと、内に秘めていた想いをロゼに告白するのだった。
「ずっと…ずっと…姫様をお慕いしておりました」
決死の告白をしたクロエだったが、気を失ったその後、お城の一室で目が覚める。どうやらこの国の医療班は大変優秀で、致命傷を負ったクロエは一命を取り留めたのだ。
しかし、姫様へ愛の告白をした今、クロエはロゼに合わせる顔がなかった。どうにかこうにかロゼから逃げるクロエだったが、その行動にモヤモヤしていたロゼがクロエの前で危険な行動に出る。窓から飛び降りたロゼをすかさず助けるクロエ。「やっぱり来てくれた!」とロゼは満面の笑みを見せる。その笑顔を見たクロエは…
「ロゼ様のことが好きです」
改めて、しっかりロゼを見つめて気持ちを伝えたのだ。一方、鈍感なロゼはこれまでずっとクロエの気持ちに気づいていなかったため、この恋の行方はまだしばらくわからないかもしれない――。
本作を読んだ読者からは、「尊い」「素敵な作品」などのコメントと共に「医療班ナイスすぎる」とクロエの命を救った医療班を賛辞する声も寄せられた。
――『執事が姫に最期の告白をする話』が生まれたきっかけや理由などをお教えください。
小学生の頃から「主人と従者」の関係、その中でもヘタレで気持ちを伝えられない男従者と、お転婆で最強の女主人という組み合わせが大好きで、自分が一番好きな関係性の二人を描こう!と思い「従者は恋心を墓場まで持っていく」という1つをテーマに執筆したのがこの作品です。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
序盤と終盤の告白シーンの違いです!「姫様のことをお慕いしておりました」は執事としての最期の告白「ロゼ様のことが好きです」は一人の男、クロエとしての始まりの告白です。夜の業火の中と、朝の光の中、お互い顔の見られない体勢と、しっかりと向き合って見つめる体勢、ここはすごく対比を意識しています。
――執事のクロエは死を覚悟した時、“どうせ死ぬなら”と姫様に愛の告白をしました。“死”とは少し違いますが、もしも明日世界が終わるとしたら心残りのないように「これだけはやっておきたい!」ということはありますか?
家族の元へ行って「本当に世界終わるのかね〜」ってくだらないことをだべりながら、最後は寝てる間にポックリ終わってほしいですね(笑)お世話になった人へ感謝を伝えるとかも考えたんですが、相手もやることあって忙しいだろうし、明日世界が終わるとしても伝えきれてない感謝がないように日々を過ごしています。
――makaさんの作品に出てくる女性は、笑顔が魅力的に描かれています。可愛らしい女性を描く上で大切にしていることやこだわりなどがありましたら、お教えください。
その女性を相手のフィルターを通して読者が見ていると思っているので(今回はクロエを通してロゼを見ている)クロエが好きになるような女性を目指して描いています。クロエは死に際に「最期は笑顔を見たかった」と言い、そして生きてた後は「どうして私は生きてしまったのだろう」と考えているんですが、その後ロゼを助けて「わかればよし!」と笑顔を見た時に(ああ、このために生きていたのか)と思うくらいの眩しい笑顔を見るので、とにかくクロエに感情移入して描いていました。彼の見る世界の中の姫様はめちゃくちゃ可愛いし輝いているんです。
――最後に、ラブコメ作品を多く手掛けるmakaさんにとってのラブコメの魅力をお教えください。
魅力的で素敵で愛おしい二人の恋を誰もが応援したくなって、心臓がドキドキしてにやけちゃうようなラブコメを見ていると、毎日その二人の事しか考えられなくて生活が潤う、人生に必ずしも必要ではないけど、あったらすごく心が躍るようなラブコメが大好きだし、そういう漫画を描ければなと思っています!
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