【漫画】「どうして私達に友好的なの?」…人から嫌われても優しいミノタウロスの高校生、その意外な理由に「可愛くてほっこりする」の声

2024/01/04 09:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

町で唯一のミノタウロス高校生…牛川いぬおさんの「高校生のミノタウロスがいる世界」が話題画像提供/牛川いぬおさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は牛川いぬおさんの『高校生のミノタウロスがいる世界』をピックアップ。

12月13日に作者がX(旧Twitter)に投稿したところ、人間と動物の種族を超えた友情に2万以上の「いいね」が寄せられ読者から大きな反響が集まった。この記事では作者である牛川いぬおさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

また7月に掲載して大きな反響を呼んだ、牛川さんのエッセイ漫画「口蹄疫について」のインタビューも合わせてチェックしてほしい。

町で唯一のミノタウロス高校生 種族を超えた友情と優しさに"ほっこりした"と話題

「高校生のミノタウロスがいる世界」より画像提供/牛川いぬおさん

人間とミノタウロスが共存する社会。町で唯一のミノタウロス高校生"ミノル"は、今日も見知らぬ人を助け、人々の役に立っていた。転校してきた当初、クラスメイトの木村は初めて見たミノタウロスのミノルを恐れていたが、今ではすっかり時間を共に過ごすほどの仲に。

人間との共存を望むミノルだが、しかし、そんな彼をよく思わない不良達がいた。彼らは、”人に危害を加えたミノタウロスは強制送還される”というルールを逆手に、ミノルに乱暴を働く。木村が止めに入ろうとした際、不良達は彼女につい手を出してしまうのだが…。

群れの仲間が傷つくことだけは許さない!

本能に駆られたミノルは、木村を守るために不良達を撃退する。次の日、木村は「どうしてそんなにわたしたちに友好的なの?」とミノルに聞くと、彼は驚きの理由を告げる。

どこか可愛く、そして心優しいミノタウロスのミノルに癒される人が、X(旧Twitter)で続出。
「ミノルの優しさに夢中になった」「最後のオチが好き」などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

牛の可愛さと優しさに心温まる 作者・牛川いぬおさんが語る創作の背景とこだわり

「高校生のミノタウロスがいる世界」より画像提供/牛川いぬおさん


――『高校生のミノタウロスがいる世界』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

牛が好きなので、ギリシャ神話に出てくる架空のキャラクターであるミノタウロスにも愛着があるのですが、ゲームや映画で登場するミノタウロスが脇役(やられ役)で出てくることが多くいつも残念に思っていました。仕事で牛の世話をしながら「ミノタウロスはもっと魅力的なはずなのに…」と常々悶々と思っていたので、その思いが漫画を描くきっかけになりました。

――今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

牛の特徴や習性にこだわりました。ただ暴れまわる怪物ではなく、偶蹄目ならではの固い蹄、雄牛の特徴である発達した首の筋肉、好奇心旺盛でマイペースな性格、食べることが大好き等です。

以前、仕事で雄牛に触れる機会があったのですが、群れの雌牛にはとても温和なのに怒らせるととても恐ろしかったのを覚えているので、その体験も漫画に取り入れました。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

ラストの「"食"かぁ」です。家畜の牛たちも、自然に生えた野草より人間が手間暇かけて作った牧草を喜んで食ることが多いです。怪物ミノタウロスと人間が共存するとしたら、食でつなぐしかないと考えていました。

ヒロインの「愛や友情ではないってのがね」というセリフも気に入ってます。いつかは愛や友情で絆が芽生える物語が描けそうな気がしてくるので。

――人間とミノタウロスが共存する魅力的な物語でしたが、普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

仕事で牛の世話や観察をしていたので、牛の仕草や行動から着想を得ることが多いです。

――牛川いぬおさんは酪農にまつわるコミックエッセイを中心に創作していますが、今回ファンタジーを書いてみた感想をお教えください。

ファンタジーは描いていてとても楽しかったのですが、話の流れやコマ割りなど、コミックエッセイとは全然違うのでとても難しかったです。「漫画を描くための基礎知識」を本やサイトで読み返しながら、試行錯誤して描いていました。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

拙い作品ではありますが、読んでいただきありがとうございます。

牛の面白さや魅力を漫画でどう表現できるか、エッセイに限らず幅広いジャンルで挑戦できたらと思っていますので、今後も読んでいただけると嬉しいです。