和田颯(Da-iCE)が新曲「君色」のMVを解説! s**t kingzの振り付けが特別なワケは?

2017/08/10 15:00 配信

芸能一般 インタビュー

ダンスボーカルグループ・Da-iCEの和田颯。メンバー最年少の弟キャラながら、ダンス歴は既に20年に及ぶなど、確固たるキャリアと実力の持ち主だ。「歌うように踊る」とも評される颯のダンスの根源にあるものは何か。ヒットチャートを駆け抜ける最旬ダンサーの素顔に迫った。

和田颯


ダンスだけはなぜか続けられた。全然辛くなかったし楽しかった


――まず今回は、颯くんの歩みを少し振り返ってもらおうかと。ダンスとの出会いはいくつのときに?

「たぶん3歳か4歳くらいです。きっかけは、近所の友達が「ダンスを習いたい」って言い出して。親同士が仲良かったので、僕も行くことになったんです。で、やってみたらすごく楽しくて。小学校の頃は学校が終わったらダンスレッスンに行くのが普通の毎日。多いときは日曜以外毎日通っていました。」

――何がそんなに楽しかったんでしょう?

「何が楽しかったんですかね。わからないです(笑)。昔から疲れるのは大の苦手。小1のときにバスケをはじめたんですけど、体育館の周りを30周走らなきゃいけなくて、速攻で辞めました(笑)。一度、小5のときに足の小指にヒビが入って、1ヶ月間、ダンスを踊れない時期があったんですよ。そしたらあっという間に太って顔がパンパンになった(笑)。本来僕はそれくらいどうしようもない性格で。今でも筋トレは嫌いだし、そんなに根性がある方じゃないと思うんですけど、ダンスだけはなぜか続けられた。全然辛くなかったし、楽しかったです。」

――ダンスの変遷としては?

「最初にヒップホップから入って小4でブレイクダンスを習いはじめました。そこから中学に入ってジャズとハウスとポップも。中でもいちばんハマッたのがブレイキンです。やっぱりカッコいいじゃないですか。お客さんが見ててもいちばん歓声が沸くのがブレイキンだし。当時は毎日逆立ちとかしてました。僕の身長が伸びなかったのはそのせいだと思っています(笑)。」

――12歳でavex audition 2006に合格し、レッスン生に。少年時代の颯くんのダンスのヒーローと言えば?

「avexに入ってからはずっと三代目J Soul BrothersのNAOTOさんに教えてもらっていたので、ヒーローという意味ではNAOTOさんですね。カッコよすぎて、どうやったらあんなふうになれるんだろうって考えてました。あの頃はふたりで一緒に帰ることも多くて。銀座線に乗りながらiPodでChris Brownの映像を見せてもらったのを覚えています(笑)。」

――当時は地元の群馬から通ってたんですよね。

「20歳で東京に出てきたので、それまではずっと地元から通ってました。Da-iCEを結成して2回目のライブのときは、学校終わりに電車に乗って渋谷まで向かう予定だったんですけど、まさかの遅延で。駅に着いたと同時にVUENOSまで猛ダッシュ。急いで着替えて、ステージ脇まで駆けこんで、そのまま出るっていう感じでした。もうね、立ち位置に着いた時点で息が上がっているっていう(笑)。」

――懐かしい時代だ。そう思うとダンス一色の23年間でしたね。

「ずっとダンスしかやってなかったですね。メジャーデビューの日に親から言われました、「ずっとダンスだけさせてていいのか心配だった」って。実は、高校卒業までにavexから何も話がなければ、ダンスの道は諦めて大学に行けって言われてたんです。そういうタイミングでDa-iCEの話をいただいたので、タイミングっていうのはあるんだなって不思議な気持ちになりました。」

――そんな颯くんにとって、ダンスとは何ですか?

「自分ですね。僕からダンスをとったら何も残らない。やれる限り、ダンスはずっと続けていたいです。」

――いい言葉です。

「我ながらね(笑)。」

――10代のダンサーにメッセージをいただければ。

「ダンスを嫌いにならないでほしいですね。楽しむ気持ちを忘れて、完全に仕事になっちゃったら、すごくつまらなくなる。僕もパフォーマンスをしているときは楽しいし、それがなくなったら終わりだと思っている。だから踊っているときは誰よりも楽しんでいてください。」

和田颯


新曲「君色」のMVはs**t kingzのoguri&NOPPOが振り付けを担当!


――そして、そのDa-iCEですが、新曲「君色」が8月30日(水)にリリースされますね。早速聴かせてもらいましたが、これまでのDa-iCEの夏ソングとは全然違う涼やかな曲調が印象でした。振り付けはどなたが?

「s**t kingzのoguriさんとNOPPOさんです。この曲の温かくて切ない感じを聴いたときから自然とおふたりの名前が浮かんで。」

――Da-iCEの楽曲と言えば、s**t kingzさんがおなじみですね。

「シングル曲で言えば、『恋ごころ』以外は全部お願いしています。s**t kingzさんのすごいところは構成です。「ここでそう動くか」というような普通の人じゃ考えられないアイデアがいっぱい散りばめられていて。ぜひダンサーの方には構成に注目してほしいですね。s**t kingzさんの振り付けは、僕らにとってもすごく特別。誰が見てもDa-iCEらしいなと思えるものに仕上がるんです。」

――そこをぜひ聞きたいですね。颯くんの考えるDa-iCEらしいダンスとは?

「うーん、なんだろう。やっぱり歌詞の表現の仕方かな。一言一言をちゃんと動きで表現している。だから単に踊っているというよりも、どこか演じているような感覚もあるんです。そこがDa-iCEらしさかなって。」

――歌詞の読み解き方はどんなふうに?

「僕は歌詞カードはあまり読まない派で。それよりも音を聴きながら、そのときに浮かんでくるイメージを重視するタイプ。『君色』で言えば、切なくて淡い感じの恋愛に胸がギュッとなる。初々しくていいなあって思いながら踊っています(笑)。」

――そういう意味では、想太くんと雄大くんの歌声に影響される部分は大きい?

「それはやっぱりありますね。ふたりが歌に想いを乗せてくれる分、僕もそれをもっとみんなに届けられるようにって気持ちが入る。やっぱりふたりの歌声がないとDa-iCEじゃないですもん。」

――メンバーの大輝くんや徹くんと踊りながらコンタクトを取り合うことも?

「ある程度ここを揃えようという認識は共有しますけど、基本的に僕たちの場合はそれぞれが自分の思った通りの感情の出し方をしています。だから、よく見たら一人ひとり伝え方は絶対違うと思う。切ないという感情を表現するにしても、泣きそうな顔で踊っている人もいれば、無理矢理笑顔をつくっている人もいる。ぜひそんな違いも見比べて楽しんでもらえると嬉しいです。」

――表現の上でいちばん大事にしていることは?

「表情ですね。実はDa-iCEを組むまでは、ずっと表情なんてどうでもいいと思っている人間だったんですよ。カッコよければそれいいじゃんっていうタイプで。でもDa-iCEの活動を始めてからは考え方がガラッと変わりましたね。ライブだと、後ろの方のお客さんには表情まで見えないかもしれないけれど、すごく大切にしています。」

――どのあたりからそういった意識の変化が?

「明確にこの時期というのはないんですけど、ひとつ大きいのは、自分たちの立つステージがどんどん大きくなっていったことがあるかもしれないです。いつの間にか2階席にまでたくさんのお客さんが入るようになって。そしたら下向いて踊ってても何にも伝わらない。ちゃんと遠くのお客さんにまで気持ちを届けようとしていくうちに、表情を気にするようなったんだと思います。」

――それまでは伝えるということに、そこまで重点を置いていなかった?

「お客さんの気持ちがどうこうというよりは、踊っている自分を見てくれっていう感じでした。変わるものですね、人は(笑)。」

――颯くんのことはインディーズデビューの頃から取材していますが、お話を聞いていても何だかすごく大人っぽくなった気がします。

「ガキでしたからね、あの頃は(笑)。ただ踊れたら楽しかった。将来の心配とか何にも気にしてなくて、ただただ楽しいだけのガキでした(笑)。」

(撮影●関純一 取材・文●横川良明)

Da-iCE


PROFILE

Da-iCE●(写真左より)岩岡徹(Performer)、花村想太(vo)、和田颯(Performer)、大野雄大(vo)、工藤大輝(Performer)。現在は全国ツアーを展開中。

和田颯●1994年2月3日、群馬県出身。5人組ダンス&ボーカルグループのDa-iCEのPerformer。

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