第5話からは、クライマックスに向けたシーンが畳み掛けるように描かれている。アンナがピエトロの家に向かうと、ピエトロはすでに“赤い病”に侵されぐったりとしていた。ピエトロは気力を振り絞り「エトナ火山に行きたい」とアンナに頼む。
続く回想シーンでは、ピエトロが小さい頃、母親が亡くなった後、サヴェリオという男性と一緒に暮らしていた様子が描かれる。サヴェリオとピエトロは生き抜くために、“赤い病”で苦しむ大人たちを楽にし、生活に必要な物品を拝借して回っていた。
幼いピエトロは善と悪も分からずただサヴェリオの言うことを聞くしかなく、サヴェリオの言う「人は死んだら魂はエトナ火山へ向かい、その火口から新しい世界へ旅立つ」という言葉を今でも信じていた。そのため自分に死が近づいていることを知っていたピエトロは、火山に行くことで魂を解き放ち、新しい世界に旅立とうとしていたのだ。こうしてエトナ火山に向かうことにしたアンナとピエトロだったが、その道中でさまざまなトラブルが発生することとなる…。
最終話では、アンナとアストルがエトナ火山から見えた“イタリア本土”を目指して旅に出る。シチリア島から本土へ小さなボートで向かう道中、偶然“ある出来事”が起きて物語は完結。ラストシーンでは、新たな希望を見いだせるような描写が映し出された。
本作は、アンナたち姉弟を通して“病の恐ろしさ”や“子供たちの真っすぐがゆえの痛々しさ”がひしひしと感じられるストーリー構成となっている。主演の2人がほとんど演技未経験であることから、フレッシュなまぶしさや素直でリアルな反応が楽しめる。また、集団の中での“孤独”や“大切な人の死”などによって、アンナが成長していく姿も見どころの一つと言えるだろう。
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