決めぜりふのオンパレード…大団円を迎えた「ゼイチョー」最終話で最高のツンデレ大発生

2023/12/24 16:53 配信

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日比野係長からも「公務員なめないでくださいね」


相楽グループの滞納額は、徴税禁止リストから推定しただけでも約45億円という巨額の数字に。法人住民税や固定資産税、都市計画税、従業員の個人住民税が、5年もの間見逃されていたからだ。

家宅捜索の流れを確認し終えた第三係のメンバーたち。「チャンスは1回。滞納しているはずの税金、きっちり納めてもらいましょう。行くぞぉ!」という饗庭の掛け声で気合い入れをして、家宅捜索へと向かった。

耕史郎の前に立った華子は、裁判所から発行された令状を手に「こちらの相楽ホールディングスには、本来納めるべき税を不正に免れているという犯罪行為がなされている疑いがあります。よって地方税法第22条の4に則り、先ほどからみゆきの市役所徴税第三係のものが社内を捜索中です」と説明。しかし、耕史郎は余裕の態度を崩さない。

「義実…私の息子だね」。相楽グループの不正を証言したのが相楽ということを勘付いている様子で、「社内を調べてもし何も出なかったら…あなたたちが善良な市民に何をしたのか知ったら、世間は何を思うでしょう」と強気に脅しをかける。そんな耕史郎の態度を裏付けるように、捜索中の浜村宰(白洲迅)から「資料が別の場所に移されている」という電話が。家宅捜索があるという情報が事前に察知されていたようで、不正に関する資料は別の場所に移されているようだ。

しかし、饗庭に電話をしている浜村の前で、1人の社員が怪しい動きを見せる。注意すると「すみません」と謝ったものの、そっと車のキーを持ち出して駐車場へと逃走。その後を追う浜村と増野環(松田元太)、加茂原健介(鈴木もぐら)、鷺沼宏樹(猪塚健太)ら。

駐車場についた社員は、車のロックが掛かっていることに気付くと一瞬諦めたような表情を見せる。しかし、それでも車に乗り込もうとするのだが、間一髪で加茂原が男の手をつかんだ。当然、車の中に証拠があると怪しんだ浜村らだったが、探しても車内に不審なものは見当たらず。「証拠は何も出なかったんだ。これ以上あなたたちが居座る理由がありますか?」と、耕史郎がいよいよダメ押しをしようとしたところで、浜村がやってくる。

浜村の話を聞いた饗庭は、社員がロックのかかっている、走行できる状態ではない社用車で逃げ出そうとしたという話を聞いてすぐに動き出した。動けない車に乗り込もうとしたということで、すぐに「車のナビ」が怪しいと踏んだ饗庭。調べたところ、最近の履歴の中に1件、相楽ホールディングスが所有する不動産としては未登録の別荘地を発見する。

すぐさま待機していた第一係が向かい、本社から移されていた不正の証拠となる資料をすべて差し押さえることに成功。市の財務部長から「第一係はこちら側につくはず」と聞いていた耕史郎は、第一係がまっとうに捜索へ協力していることへ戸惑いの表情を浮かべた。

しかし、徴税禁止リストのことを知った日比野みのり(石田ひかり)は、自分なりのやり方で不正を暴こうと水面下で動いていたのだ。第三係と対立するような動きや、相楽へ「お役に立てますよ」と接触していたのは、日比野なりの正義のため。日比野は財務部長に対して、「公務員なめないでください」と決めぜりふを言い放つ。

万事休すとなった耕史郎。「これであなたも滞納者です。税金、納めていただけますか」と饗庭に追い詰められたところ、ついに「ふざけるな!」と激情を見せる。相楽グループによって市が大きく発展したことを挙げ、税として徴収するより自分の方がよほどうまく社会貢献できると吠えた。

華子へ「本気で言っているのか。公正公平なんて、そんなきれいごと…」と嘲笑を浮かべる耕史郎に、「当然ですよ。我々は公務員なんですから」と声がかかる。冷たい目に静かな炎を浮かべて部屋に入ってきたのは相楽だ。

「父さんは、『そんなことで』とあっさり切り捨てるかもしれません。ですが、公平であるべきだと信じ、それをできずに苦しんだ公務員を、私は知っています。だからこそ、私たちはこうしてあなたの前にいる」と突きつける。国税局も呼びつけていると告げ、包囲網が完璧であると示す。

ヤケになって「笑うがいい」と消沈する耕史郎に、「助けてほしいときは声を上げてください」と意外な言葉をかける饗庭。困惑する耕史郎だったが、「あなたはみゆきの市の市民です。あなたがどんなに俺たちのことを嫌っても、どんなに拒絶しても、助けるのは当然のことなんですよ。相楽会長…公務員、なめないでくださいね」と締めくくるのだった。

エピローグの奇跡とクリスマス


市長、財務部長と耕史郎など、徴税禁止リストに関わっていた面々の逮捕報道が連日取り沙汰される日々。饗庭と相楽は、奥林の病室で改めて今後のことを話し合っていた。相楽はまだ任期が残っているものの、父が不正に関わっていたという状況から財務省への帰還を予定しているという。父の不正を止める、という奥林との約束も果たせたことで、思い残しはないようだ。

「少しは俺を、赦してくれるか…?」と眠り続ける奥林へ語りかける相楽。「ヤダ、ユルサナーイ」と横から腹話術を入れる饗庭は、「これで終わったと思うなよって話。お前には、奥林ができなかったことをやり遂げる義務がある。それまでは俺がお前を許さなーい」と告げる。「で、いつか気が向いたらみゆきのに戻って来いよ」とじゃれあう姿から、2人の間にかつての友情が戻っているのが伝わってきた。

2人を見送った奥林の病室。奥林の母が「また2人で来てくれるかな…」と話していると、奥林の指がかすかにうごく。今は誰も気付かないが、それは確かな奇跡の兆しだ。

そのあとは、華子にサプライズプレゼントされたクリスマスパーティーを開催。華子は家庭状況のせいでクリスマスをまともに祝ったことがないという話を聞いた饗庭が、係長や課長まで巻き込んで第三係の事務所を飾り付けていたのだった。

全員が仮装する中には、クリスマスツリーの着ぐるみを身につけた相楽の姿も。庁舎を私物化することに難色を示しつつも「うれしかったです」と漏らすツンデレ華子に、全員が大盛り上がり。

まさに大団円の最終話には、SNSで「日比野係長!味方だった!!」「相楽副市長のコスプレかわいい!!!!!」「このドラマツンデレ多くない?最高なんだけど」「ハッピーエンドでよかった…」といった声が相次いでいた。