ディズニー創立100周年を記念したアニメーション映画「ウィッシュ」が公開中だ。「アナと雪の女王」のスタッフ陣が集結し、100年の歴史の集大成とも位置付けられるミュージカル作品。今回は、体感型上映システム“4DX”での日本語吹き替え版鑑賞リポートをお届けする。(以下、ネタバレを含みます)
ディズニー100周年の集大成となる新たなディズニーヒロインとなったのは、どんな願いも叶うといわれているロサス王国に暮らす少女アーシャ(CV:生田絵梨花)。ロサス王国では、18歳になると自分の一番大切な願いを偉大な魔法使いでもあるマグニフィコ王(CV:福山雅治)に捧げることになっていた。100歳になる祖父の願いが叶う日を楽しみにしてきたアーシャだったが、ひょんなことから王の秘密を知り、みんなの願いを取り戻したいと立ち上がることに。
これまでディズニーが描き続けてきた“願いの力”。「白雪姫」はすてきな人が現われますようにと、「ピノキオ」は本物の人間の子どもになりたいと、また「シンデレラ」は舞踏会に行くことを、「リトル・マーメイド」の人魚姫・アリエルは地上の世界への憧れと一目惚れした王子との再会を…。何人ものプリンセスやキャラクターたちの願いに基づく物語が、子どもたちだけでなく、大人の心も捉えてきた。
本作は、これまでの作品の世界より前から存在するファンタジーの世界が舞台。いわば、その後の作品につながる“始まり”の物語ともいえるのではないだろうか。
そんな記念作として差し込まれている、たくさんのディズニーアニメ作品のオマージュを発見するのも楽しいと話題になっている…という、予備知識を頭に入れ、4DXでの鑑賞に向かった。
座席が前後左右に動くのをはじめ、水や風、香り、フラッシュなどの演出で映画を体感できる4DXがアクション映画と好相性なのはよく言われているが、ミュージカル映画とはどうなのかと興味があった。
本編前のオープニングロゴ、ディズニーキャッスルといわれるお城が登場する映像に合わせ、さっそく場内がキラッと光る演出。もうここから!?とワクワクしていると、本編に突入してすぐシートが動き、話の流れに沿ったフラッシュや風、振動が立て続けに。没入感がすごい。
そして最初のミュージカルシーンがやって来た。アーシャが王国を初めて訪れた人を案内するところで、どんなに魅力的な国なのかを歌い上げる、軽やかでノリノリの楽曲だ。
多くの人々でにぎわう街中を歩くアーシャたちに合わせて座席がリズミカルに動き、踊るアーシャがクルっと回ると風が吹く。さらには花びらが舞うシーンで、ふわっと甘い香りが。
た、楽しい! 通常の映画館であれば、歌に合わせて体を動かすことははばかられる。周囲の人の邪魔になってはいけないマナーだ。けれども、4DXはすべての座席が動く仕掛けだから、自然と体が動く。それに身をゆだねることで、心置きなくリズムに乗れるのだ。
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