コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は業堀さんの漫画「クソ漫画シリーズ 『雪颪(ゆきおろし)』」を紹介する。作者である業堀さんが12月11日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5千件を超える「いいね」を寄せられるなど大反響を獲得。本記事では業堀さんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
吹雪が荒れるなか、雪道を山伏の姿をした修行僧が歩いて小屋へとたどり着く。戸を開いてみると、そこにはなぜか電気式のコタツとたこ焼き機でたこ焼きを作っているバニーガールが…。ホカホカと湯気の立つたこ焼きに誘われかける山伏だったが、途中でハッと気づく。これは幻だ。
持ち歩いていた酒のフタを開いて口に含んでから霧状に吐き出し、「喝!」と数珠を取り出す。すると部屋にあったものは全て幻と消えて、バニーガールもその本性を現した。手にはたこ焼きを持ったまま。
「やはり」と警戒する山伏と、「見破るか山伏よ」と妖しい笑みを浮かべる雪女。「人を惑わすもののけよ!元の世界へ戻るがよい!」と手に持っていた杖を勢いよく回転させる「ブシコプター」で近付いて行く。勢いよく振り下ろすも、それを雪女は難なく氷の柱で受け止める。なんでもないような仕草で息を吹きかければ、カキーンと音を立てて山伏は氷の中に閉じ込められてしまう。
万事休すかと思いきや、「ぐっ、閉じ込められた!」と氷の中で暴れる山伏。凍らせられたのではなく、氷のなかに閉じ込められただけだったようだ。雪女がドロップキックをすると、山伏を閉じ込めた氷は雪原を勢いよく滑っていき、改めて絶体絶命に。そこで山伏が取り出したのは、酒とジッポライターだった…。
強烈な作風の同作について、SNSでは「雪女がかわいい」「最後のコマ的に、バニー服は雪女の趣味なのかな」「勢いがスゴ過ぎて笑った」「全部のコマがおもろくて感想に困る」などと反響が集まっている。
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
アシスタント先の酢豚ゆうき先生が「雪女」をテーマにしたネーム出しに苦労してらっしゃったので、とっさに考えて提案した話を元にした漫画です。
作風が違いすぎて採用されなかったので自分で描きました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
1ページ目だけちょっと劇画感が出たらいいなとは思っていましたが失敗しました。
2ページ1コマ目のフラッシュ焚いたみたいな影は能條純一先生リスペクトです。
――怒涛の展開が続きますが、舞台はいつ頃のどこをイメージしているでしょうか。
いつ頃というのは無くて、とにかく雪山です(山っぽく描けてないですが…)。
――幻が消えていくなか、たこ焼きは雪女が食べています。もしかしてたこ焼きだけは本物なのでしょうか。
特に考えてませんでした。雪山ではタコの入手が難しいため、ウサギの肉などが入っているかもしれません。
――雪女の目的は最初から山伏だったのでしょうか。
逆に、山伏の目的が雪女退治でした。雪女は雪山で迷った旅人を待ち受けて惑わせ、氷漬けにしたり、氷のカプセルに入れてふもとまで帰してあげたりと気分次第で動く怪異です。
――その後、山伏はどうなったのでしょうか。
カーネルサンダースと間違えた阪神ファンに道頓堀に投げ込まれて解凍されます。
――今後の展望や目標をお教えください。
続きものとか、長いおはなしを考えたことがないのでちょっとチャレンジしてみたいです。ヒューマンドラマみたいなものは描ける気がしないのですが、まともなお話も描けたほうがぜったい潰しが効くので研究したいです。
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