コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、大塚みちこさんが描く『夜行バスで出会ったしらんばあちゃんとなんばに遊びに行った話』をピックアップ。
2023年12月12日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.7万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、大塚みちこさんにインタビューを行い、漫画の内容や今回の反響について語ってもらった。
東京から大阪へ向かう夜行バスの中、大塚みちこさんは一人のおばあちゃんに出会う。おばあちゃんは、杖をつきながら一人でバスに乗ってきて、大塚さんの後ろの席に座る。
バスの出発前、誰かと携帯電話で話していた内容から、おばあちゃんは一人で初の夜行バスを利用したようだった。そして、移動途中のトイレ休憩。大塚さんはバスを降りるおばあちゃんが気になり、声をかけて一緒にトイレへ行くことにした。
色々と質問すると、一人で難波に行くということがわかった。そして、和気あいあいと話をしていると、バスに戻る頃にはお菓子をくれるくらい距離が縮まっていた。すっかり仲良くなったと同時に、大塚さんは少し心配になる。
“杖をつきながら一人で観光…ほんとに大丈夫なのか?”
目的地に着くまでのバスの中、色々な不安がよぎった大塚さんはおばあちゃんに「一緒に行って大阪案内しようか?」と伝える。すると、おばあちゃんは目を輝かせて喜んでくれた。安堵した様子のおばあちゃんとともに、見知らぬ者同士の“大阪観光”が始まる――。
本作には続きがあり、旅の楽しい様子から最後のお別れまで大塚さんのX(旧Twitter)に投稿されている。また、書籍もあるので、話の続きが気になる人はぜひチェックしてほしい。
――本作は「ばあちゃんに渡してあげようと思ったのがきっかけで本にした日記」とのことですが、おばあちゃんにはもう渡されたのでしょうか?もしおばあちゃんからの感想を伺っていたら、お教えいただけますでしょうか?
本は無事にお渡しできました。当時はコロナ禍でもあったので、お店に行って奥さんに本を預けました。その後ばあちゃんから電話がかかってきて「嬉しい嬉しい!今ねー何回も読んでるよー!ほんとに嬉しいよー!ありがとねー!」って言ってくれて、ちょっと涙ぐまれてましたが、ほんと楽しかったよね〜!またどっか行こうね〜!って笑って話しておわりました。渡せてよかったです。
――投稿へは多くの“いいね”とともに、たくさんのコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか?
心のあたたかい人がこんなにたくさんいてくれていることがなんだかとても嬉しくて、私もホッとするような気持ちになりました。
――おばあちゃんはもちろん、大塚さんにおかれましてもコミュニケーション能力の高さを感じました。人と接する上で大切にしていることや心がけていることなどがありましたら、ぜひお教えいただきたいです。
私は元々めちゃくちゃ人見知りで不安も抱えやすいタイプなのですが、学生時代の先生達に助けてもらえたことで自分の力を発揮できたり、また自分が子どもに関わる仕事に就いてからは自分の要素が活かされるようになりました。人見知りで声をかけられない子がいたり、不安で動けなくなっている子に声をかけて手を引いていくうちに、いつの間にかアクティブな自分になっていました。気持ちがわかるってすごく大きいですし、また力強く手を引いてくれたら心強いですよね。そんな経験から困ってる人がいたら声だけでもかけてあげると少し安心できますし、どうにも出来なくても“気にかけてくれる人がいた”っていう存在は心にもじんわり残りますので、とにかく独りにしないようにアレ?って気になったら「だいじょうぶ?」って気軽に声をかけるようにしています。これからもお互いに助け合いの気持ちで接していきたいですね。
――X(旧Twitter)に投稿されている続きのお話を拝見させていただきましたが、旅の最後、おばあちゃんと別れる場面では、それまでが楽しい話だった分、寂しさと温かさが入り混じるようなジーンとした気持ちになりました。改めて、おばあちゃんとの難波旅の感想をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?
漫画には描いていませんが私自身もこの時ちょっと元気がなかったのですが、ばあちゃんとの難波旅のおかげで元気を取り戻すきっかけになったので、ご縁って本当におもしろいしありがたいなと思いました。世界も広がったので本当に嬉しいです。
――最後に、本作とおばあちゃんに夢中になった読者へメッセージをお願いいたします。
ばーちゃんの息子さんのラーメンもベラボーに美味しいのでぜひ食べに行ってみてくださいね〜!
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