プロ・アマ問わず全国から集まった挑戦者たちの中から“真のコント日本一”を決めるお笑いイベント「キングオブコント」。その第2回の模様を収録したDVDが12月23日に発売された。東京03、ジャルジャル、モンスターエンジン、ロッチ、天竺鼠、しずる、サンドウィッチマン、インパルスという個性あふれる決勝進出者がそろう中、見事優勝を勝ち取ったのは東京03。DVD発売に当たり、2代目キング・東京03の豊本明長、飯塚悟志、角田晃広の3人にインタビューを敢行。ガチンコバトルの舞台裏に迫った。
――2代目キングになって約3カ月。変化はありましたか?
飯塚:そうですね。今までは見ているだけだった番組に出させていただいたり。
角田:ビックリだよね。ことし('09年)の年頭には、自分がテレビに出ているなんて思っていませんでしたから。
豊本:それに、街でも声を掛けられるようになりました。回転ずし屋では「おめでとう!」って、みかんをもらいましたし。
角田:それ、すげぇ!
飯塚:親せきの家、遊びに行った時みたいな反応だね(笑)。
――あらためて決勝を振り返ると、1本目のネタでは緊張が見えた角田さんと豊本さんに対して、飯塚さんが平常心のように感じて。お2人をぐいぐいと引っ張っていったように見えました。
飯塚:本番が始まる前は緊張していましたよ。豊本と角ちゃん(角田)は幕が開いた瞬間から舞台にいる設定でしたけど、僕は途中から入っていく設定だった。だから、ネタ前に1人で舞台袖にいなくちゃいけないことがすごく不安で。少しでも緊張を分かち合いたくて、出番前はずーっと3人でいたんです。
角田:確かに、幕が開くギリギリまで一緒にいましたね。
飯塚:ネタ前には3人で握手までしましたからね! あんなの初めてだったよね?
角田&豊本:(無言でうなずく)
飯塚:で、「俺、行くからね」って2人に手を振って、舞台袖に行って。そこから2人のいい感じの芝居を見たことで、僕の緊張はようやくほぐれたんです。だから、あそこで2人がかんだり、ネタを飛ばしたりしていたら、僕もガチガチで舞台に立つことになっていたと思います。
豊本:僕は最初、前がまったく見えなかったんです。でも、ネタでは冷静なキャラだったんで、「緊張で体が震えてたらどうしよう。落ち着かなきゃ」って思っていて。そんな時に、審査員席にいた同じ事務所のつかっちゃん(ドランクドラゴン・塚地武雅)が、にっこり笑ってるのが見えて。その笑顔が仏様みたいだったんで、緊張がほぐれて落ち着くことができました。
角田:僕も最初は前が見えなかった。けれど、最初の場面をクリアしちゃえば、あとはワーワー騒いでるだけの役だったんで、楽でしたね。
飯塚:あのネタを1本目にしたのは、作戦的にもよかったのかも。大事なところで何かやっちゃう角ちゃんが、あんまりしゃべらないコントだったもんね?
角田:あぁ、そうだね。僕、いつも危ないんですよ(笑)。
――(笑)。2本目は、1000点満点中953点というものすごい高得点でしたよね。得点を見た豊本さんが、みけんにしわを寄せてのけぞったまま固まっていたのが鮮明に記憶に残っています。
豊本:僕、完全に戸惑ってましたもんね(苦笑)。
角田:まさか900点以上の得点が出るなんて思っていなかったので、すごく驚いたんだと思います。それは3人ともそうで。
飯塚:1本目でサンドウィッチマンに抜かれて2位になった時点で、僕らの優勝はもうないなと思ったんです。だから2本目は思い出作りというか、「この場であと1本しかネタができないんだから、普通にやればいいんじゃない?」と思ったら緊張しなくなって。インパルスが2本目で高得点を出して一気に順位を上げた時も、「面白くなってきた!」って、3人で楽しんでました(笑)。
豊本:そうそう。「いい大会だなぁ!」ってね。そんな感じだったんで1位になったことにビックリして、ああいうリアクションになっちゃったんです。
――まさに、無欲の勝利というか。
飯塚 そうですね。今まで“優勝”っていう言葉にあんまり縁がなかったのでピンと来なかったのもあった。だから、こんな僕らが3時間のゴールデンでの生放送、しかもこんなに大きい大会の優勝でよかったのかな? って、いまだに思っているんですよ。
――そんなことないです! 東京03さんの面白さは、DVDで確認していただきましょう。では最後に、'10年の抱負をお願いします。
飯塚:2月から4月くらいまで、ライブツアーをやるんです。このツアーのほかにも単独ライブをやる予定なので、ライブをものすごく頑張りたいなと。もちろん、テレビも出させてもらいたいんですけど…なんかしっくりこないんですよねぇ。
角田:ははは。テレビに関しては、徐々に慣れていけたらラッキーかなと。
豊本:そうだね。今はまだ、芸能人に会うと、「テレビと同じだ!」とか、「テレビより(身長が)ちっちゃくねぇ?」とかって、ふわふわしちゃうんです。
飯塚:じゃあ、来年('10年)の抱負としては、“テレビ局や芸能人に慣れたい”。それだね!
取材・文=高本亜紀
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