コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サレンダー橋本さんがX(旧Twitter)に投稿した『毛布がズレる』(秋田書店)をピックアップ。
作者のサレンダー橋本さんが12月6日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、7千以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、サレンダー橋本さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
寝ている時に毛布がズレてしまいくしゃみが出てしまった「溜池ウォーター」の宮本。毛布がズレてしまう悩みを聞いていたのは「パコパコウォーター」の一条。その悩みを下らぬ悩みと言い、かけ布団の上に毛布をかけるとズレも防げて保温性も向上すると「常識だ」としながらも教えてくれた。今日はウォーターサーバーの無料試飲会で、新春セール中なのでお客さんもたくさん来る。そのため契約がたくさん取れるチャンスと教えてくれた店長の話を完全にスルーし、宮本は一条の意見に「愚劣な考え」と言う。なぜなら「毛布が肌に触れた時の安心感は科学を超えた心理」だからだ。これには一条も「論点をズラすな」と言い合いに。
するとそこに「アクメアクア」の今井と滝沢が。二人の言い合いを見て、今回はウチが全契約取れそうねと余裕そう。そんな今井に、毛布はかけ布団の上か下かを尋ねると、まったく質問が通じていない回答が返ってきた。今井は強烈バカなのだ。滝沢は毛布を敷いて自分を布団で挟むという方法を提案した。とても良い意見だったが、今井が「でもさー電気毛布が一番じゃない?」という意見を言い、「そういう話じゃねぇんだよ」とお客さんを置いてけぼりにする言い合いにまたもや発展してしまった。
結果誰も契約を取ることができず、お客さんの入りがイマイチだったなど言い訳を言っていた。そして4人は店長に「毛布の話してたら帰りたくなってきたのでウチら撤収しまーす」と言い残し、去っていった。それには店長も「二度と来んな」とツッコみが。宮本の毛布はその後もズレ続けたのであった。
様々な毛布の敷き方が登場し、笑えるシーンが多くありながらも熱い討論が繰り広げられた本作。ネット上では、「世界観好きすぎる」「あるあるすぎる!」といった、多くのコメントが寄せられた。また他にも、自分なりの毛布の敷き方が多くコメントされ「毛布2枚用意している私に死角なし」「寝ている内に熱くなるから毛布はいらん!馬鹿!」といった、漫画では登場しなかった敷き方まで登場した。
――毛布がズレるを創作したきっかけや理由があればお教えください。
締切前で何も思いつかず、目を閉じて考えようとしたら寝てしまって、起きたら毛布がズレていたので。これで一話出来るぞ、という。毎回そのような感じです。
――毛布がズレる の中で気に入っているシーンがありましたら、理由と共にお教えください。
なるほど今井が話についていけてないのに、なるほどなるほど言って話を合わせたり、ズレた発言をして周りがポカンとするシーンです。自分も結構的外れな発言をして恥をかくので。私の分身です。
――『明日クビになりそう』では主人公・宮本の言動に多くのファンが魅了されていますが、宮本にモデルなどはいるのでしょうか。
秋田書店の担当編集の宮Kさんです。明るく話しやすいのですが、何かと姑息な人でミスや隠ぺい方法のストックが多く、よくアイデアを貰っています。そういった面では信頼しています。
――サレンダー橋本さんの作品はどこから着想をえているのでしょうか。
実体験が多いです。スーパー銭湯の駐車場で柱にぶつけて隠ぺいする話は、私が同じ事故を起こしてショックの中で描いたものです。他にも会社で働いている中で犯したミスや、想像しても実行には移さない、悪魔のささやきみたいなものを漫画にすることが多いです。
あとは何も出てこなくなると宮Kさんに相談します。私の勤めている会社と秋田書店で共通の事項があれば、それは会社員あるあるで通るだろうという。実際はかなり偏りがるような気がしますが。
――サレンダー橋本さんの今後の展望や目標をお教えください。
日常生活と両立しつつ、求められなくなるまで描き続けていきたいと思ってます。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
何かと日々辛いことが多いですが、フルーツを食べたり、温泉に入ったりしながら、お互い頑張りましょう。
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