コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はitoさんの『きらきら、あおい』をピックアップ。
12月13日に作者のitoさんがX(旧Twitter)に投稿したところ、10万件のいいねを呼ぶほど大反響した。この記事では作者であるitoさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
高校生になるまで、異性と"交際をしたことがない"少女——荻野美穂。クラスに馴染めるように努力する彼女は、前の席の男子——村田と次第に仲を深めていく。
電話をしながら共に勉強し、休日は映画を見に行ったりと…。交流していくうちに、今まで感じたことがない"ドキドキする"感情が2人の間に芽生える。
お互いの気持ちを知るために、まだ交際をしたことがない彼らは、自分の気持ちを素直に告げ、そして……。恋人になる。
X(旧Twitter)上では「自分の初恋を思い返してしまった」「甘酸っぱい感じが好き!」「思わず共感してしまった!」の声が続々。
老若男女問わず、大反響を呼んでいる。
――『きらきら、あおい』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
自分が高校生の頃、「もっとリアルな高校生の恋愛を描いた少女漫画が読みたいな」と思ったことがきっかけです。
当時は『壁ドン』が大流行していて、漫画と現実のギャップに心がついていけなくなった時期でした。そこで、いつか私が少女漫画を描くなら実際に見て感じたリアルをありのままに描こうと考えていました。
――今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
恋愛だけでなく友人や親子関係など、距離が近づくほど高度なコミュニケーションが必要になっていく様子にこだわりました。高校生の美穂はそれが上手くできずしんどい思いをしているのですが、今後どう成長していくかに注目してほしいです。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
金魚の水槽を掃除するシーンです。
水中で泳いでいる金魚は綺麗なのに、水から飛び出た途端に気持ち悪く感じる。村田くんから貰った大切な金魚を自分で救うこともできない、美穂がまだ「親に頼らざるを得ない子供」であることを描けたエピソードとして気に入っています。
――思春期ならではの恋に共感する物語でしたが、作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。
ベースはどこにでもあるボーイミーツガールなんですが、細かいエピソードや感情の部分は自分が高校生の頃の実際の日記を参考にしています。
この頃から「いつか高校生の恋の話を描きたい」と思っていたので、ネタ帳のつもりで毎日事細かく日記をつけていました。それが今すごく役に立っています。
――繊細な心理描写が印象的でしたが、キャラの感情や葛藤を描くうえで最も苦労したシーンがあれば教えてください。
1巻の最後に2人が初めて衝突するシーンです。
好き同士なのにケンカになってしまう矛盾を、自然な流れで持っていくのが難しかったです。どちらかが一方的に悪いのではなく、お互い間違ったことは言ってない風にしたくてすごく考えました。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつもありがとうございます。みなさんのご感想に支えられてます。暖かいところで美味しいもの食べてください。
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