女は社会に晒されると、自由と自立からかけ離れ絶望してしまうのか。ベラが生き直す人生は全ての欲求がひらかれていて、感情の色彩が溢れうらやましいほど奔放だ。
心地よい夢をみたあと、目がさめたら慌ててスケッチブックに描く。そんな時と同じ気持ちになりました。
現代によみがえる美しきフランケンシュタイン、エマ・ストーン演じる主人公ベラの性の視点を通し、人が未だ成しえる事ができない地球上の業の集約の連鎖を見せつけられるロードムービー。大胆で解放感に満ちたセックス観念に翻弄(ほんろう)される男性を横目に、貪欲な学習で成長を続けるベラ。彼女の大きな瞳がもう一つの私の目となる。
観ている僕らの心配をよそに、彼女はより危ないほうを選択し、進んでいく。何にも恐れていないから。冒険の果てに彼女が創った世界にはちょっと、胸をうたれてしまいました。
主人公自身の知性の成長と強い意志により予想もつかない場所までたどり着いてくれる、全く新しいプリンセス映画体験でした。2024年、まずはこれを観るのがよいでしょう!
美しき映像に彩られた現代の見世物小屋。あざ笑っているのは誰かを考えさせられる、毒のある一作。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)