コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ふえふきさんが描くGANMA!で連載中の『ツギハギだらけの最強勇者』から第1話をピックアップ。
2023年12月14日にふえふきさんがX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ふえふきさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
主人公の有川扇は、とあることから恨みを買って刃物で襲われ、心残りがある中で人生の幕を閉じかけていた。“このまま死にたくない!”そう強く願う扇に、“別人として第2の人生を与えることができる”という声の主が現れる。扇は“死にたくない”という強い思いから、詳細を聞かずに転生を決意。そして、転生したのは、ゾンビのまま復活した勇者だった。
魔王討伐で全滅した勇者を復活させるため、魔術師が蘇生を試みるが勇者本人がそれを拒否。その代わりを任されたのが、転生した扇ということだ。勇者として目を覚ました扇は、魔術師の“ヘカテ”から状況を説明される。扇と一緒に復活した僧侶も別人の転生者のようだ。
二人は復活した勇者一行として魔王を倒す使命が与えられる。無理だと戸惑う扇だったが、これを拒否することは許されない。拒否すれば転生がなかったものとされ、“死”が待ち受けている。
不安の残る転生だったが、魔王を倒せばゾンビから人間に復活できるかもしれないと知り、扇は魔王討伐にやる気を出し始める。すると、魔術師のヘカテは魔法陣で旅が始まる場所へ勇者たちを転送。魔王討伐に向けた旅がスタートした。
転送先ではすぐに大型モンスターに遭遇。元の勇者が残した“力の使い方”でリスクのある戦闘を見せる扇だったが、僧侶のオフィーリエがいたことで事なきを得る。前途多難なスタートとなった魔王討伐への旅。扇たちは無事に魔王討伐を成功させることができるのか?気になる人は、ぜひ続きをチェックしてほしい。
――『ツギハギだらけの最強勇者』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
「勇者は魔王を倒すまで死なせてもらえないんだよなあ」と思って国が滅んでもゾンビになって徘徊する勇者パーティーを想像したのがきっかけてす。
実はこの作品、最初は死体系ギャグファンタジーになる予定でした。
しかし先代担当さんから「この設定で異世界転生ものを描いてみませんか?」と提案をいただきました。
「転生する主人公が与えられる情報量は読者さんと同じなんです。世界観の伝え方やストーリーを練るヒントになるかもしれません」
その案になるほど、と思い転生要素を絡めてストーリーを練り直したのが今のツギハギ勇者です。
――本作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
キャラを好きになってもらえるように、それぞれの魅力や応援したくなる点はどこだろう?と考えてます。
「いけすかないな、こいつ」と思っても物語が進めば「ちょっといいとこもあるじゃないか!!」と誰かの心に刺さるようなキャラを目指しています。
コメント欄やX(旧Twitter)でファンアートを貰えた時は感動しました!!主人公サイドだけでなく敵サイドも好きと言って貰えたのが嬉しかったです。
――今回ご紹介させていただいている第1話の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「復活を拒否られました」
「拒否できんの?!」
黒髪魔術師の「ヘカテ」と主人公ゾンビの「扇」の掛け合い台詞が気に入ってます。
まだギャグ系で行こうと構想していた頃の名残が残っていて感慨深いです。扇はこのせいで洒落にならない状態なんですけどね。
――主人公は異世界転生後の身体が“ゾンビ”で、勇者として魔王を倒さなくてはいけないという状況に戸惑い、不安も感じている様子でした。ふえふきさまがもしも異世界転生するとしたら、どのようなシチュエーションの人物(もしくは生き物)に転生したいですか?
ご飯が美味しい世界で、かつご飯に困らない身分が良いですね!
モンスターや魚も絶品な食材だったら嬉しいです。あと甘味料、砂糖が安価で庶民レベルで行き渡ってる世界がいいです。食が細ると心がやられてしまいます。
転生するなら富豪のマダムになって、ウンディーネ、砂人、ラミア、ケモ系のあらゆる人外種族たちそれぞれに似合うメイド服や執事服をデザインして着せたいです。
――今後の展望・目標をお教えください。
紙の単行本を出したいです!!ツギハギだらけの最強勇者は現在電子書籍のみの販売となりますので、紙の本になったら嬉しいですね。
今作は完結まで主人公の扇を含めた登場人物の全員が「自分は最善を尽くした」と言えるように全力で走れる舞台を作ってあげたいです。
漫画以外だとキャラデザインやMV制作にも挑戦してみたいです。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます!!
『ツギハギだらけの最強勇者』がここまで連載を続けてこれたのは読者の皆様、サポートしてくださる編集部の皆様のおかげです。
時代や流行のタイミングがすれ違い、打ち切りになってしまう名作が沢山あります。(私自身、好きで追っていた漫画が打ち切りになりショックで寝込んだ事があります。辛い)
本作を始めた当初はいつ打ち切りになるかと怯えていましたが、コメント欄での温かい言葉、X(旧Twitter)での応援メッセージ、愛に満ちたファンアート、電子書籍の購入メッセージやレビュー、その全てがやる気と励みになり、この応援に恥じない作品を作ろうと奮い立つことができました。おかげで扇達の活躍を最後まで描ききる事ができそうです!!本当にありがとうございます!!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)