【漫画】この手で戦の世を終わらせる…"抜刀隊”で最強と呼ばれた2人の剣士の物語に「涙出そうになった」の声

2024/02/13 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

警察官なのに刀で人を斬りまくった青年たち!?画像提供:井出圭亮さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、コミプレにて連載中の井出圭亮さん原作・TAKUMIサメ男さん作画による「フォーロン・ホープ〜警視庁抜刀隊戦記〜」。

この作品は「警視庁抜刀隊最強の二人が最後の戦いに挑む話」として、2023年12月23日にX(旧Twitter)に投稿されると、瞬く間に5000件以上のいいねを集めて話題になった。このポストには「また面白そうな漫画を見つけてしまった」「話の構成がいい」「あっという間に読み終わっちゃった」といったコメントが殺到。この記事では原作者の井出圭亮さんに、作品のこだわりなどについてインタビューを行った。

抜刀隊最強と呼ばれた青年たち

フォーロン・ホープ〜警視庁抜刀隊戦記〜画像提供:井出圭亮さん

時は明治時代。政府軍VS西郷隆盛率いる不平士族の戦が勃発していた。日本史上最後の内戦・西南戦争である。半年を超える長期戦に両軍とも疲弊するなか、特に名を轟かせたのは「雷撃隊」。”人肉喰らう鬼人の一群”と恐れられ、政府軍がどんなに人を投入しても相手にならないほど強かった。

それもそのはず。武士の集団である旧薩摩軍らに対し、政府軍を構成する者の多くは平民達。そんな彼らに『白兵戦のプロフェッショナルと戦え』と言っても敵うはずがないのである。ならば…

「この状況を打破できるのは彼らしかいない」と、大久保利通直々に命を受けたのが、後の警視庁である東京警視本署から剣術に秀でた者だけが集められた精鋭部隊、通称「抜刀隊」だった。

そのなかでも特に強かったのが、第一遊撃分隊隊長・石動拓磨である。そしてもう一人、第二遊撃分隊隊長・最上礼仁郎。拓磨と礼仁郎は同戦争内における『田原坂』で100人余りを斬り伏せ、政府軍の活路を開いた最強の2人である。

かつての恩人との訣別や仲間の死を越え、2人は戦を終わらせるため西郷隆盛を目指し…。

そして物語は拓磨と礼仁郎の出会いに遡る。

原作者:井出圭亮さん「読んでいただけることが、僕等の至上の喜び」

フォーロン・ホープ〜警視庁抜刀隊戦記〜画像提供:井出圭亮さん


ーー『フォーロン・ホープ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

2015年頃に「現代に撃剣興行が復活し、そこで剣道家の高校生が金を稼ぐために戦う異種武器格闘漫画」を考えたのですがしっくりこず、それならシンプルに時代劇の方がいいなと、元々興味があった「警視庁抜刀隊」を題材にキャラクターを引き継ぎながらシナリオを練りました。

警視庁抜刀隊は西南戦争時に編成され、その戦いの中でほぼ壊滅します。胸打つ史実ではありますが、漫画にするとなると「最終局面で主役達が現れ全滅する読切」みたいな流れなので、連載に向け「駿河城御前試合(またはシグルイ)」のような前日譚をメインストーリーにし、抜刀隊誕生の起源を「実はアウトロー達で…」という漫画的面白さで創作、時を経て今に至ります。

ーー今作で「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

「警視庁抜刀隊」の登場は上記の通り物語最後の舞台となるので、その「最終局面を第1話」として描きました。第2話からは時を遡り「主人公達がどのような人生を歩み、西南戦争へと向かうのか」がメインストーリーで展開していきます。敵味方問わず、多くのキャラクターが登場しては退場するハードなシナリオに注目していただけたらと思います!(僕の癖でちょいちょいギャグも入りますが、併せてお楽しみいただけたらと…!)

ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

第4話と第5話の「仲間達が集結していく一連のシーン」です。主人公拓磨の妹分である麗が顔見せ早々にとある理由で2人殺す所や、それを見た仲間達それぞれの反応…といったように作品が賑やかになっていく感じがTAKUMIサメ男先生の作画も相まってワクワクしました。流れをぶっ壊すかの如くキャラが動く時は大変ですが、仕上がってみれば大体お気に入りになります(笑)。

ーー普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

人との「バカ話」です。真面目な話もいいのですが、バカ話ですと無茶苦茶な妄想や破茶滅茶な想像がし放題なので、「理由はさておき話が面白い方に転ぶ」んですよね。なので、打ち合わせでもどうでもいいような話をした方が面白いものが浮かぶという…ピンときたフックがあれば、そこから理屈をこさえてストーリーにしてみる…といった感じです。

ーー井出圭亮さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

今年の7月にもう1本の連載作「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」が完結予定なので、フォーロン・ホープと同時進行で先ずは走り切ることが目標です。その後も僕が枯れるまでは、新しいジャンルやお話にもどしどしチャレンジしていきたいと思っています。

ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

「フォーロン・ホープ」と出会ってくださった皆様、本当にありがとうございます。漫画を読んでいただけることが、僕等の至上の喜びです。今後は薩摩をはじめ敵方のキャラも登場し、抜刀隊と苛烈な死闘を繰り広げていきますので、楽しみにしていただけたら幸いです。何卒宜しくお願いいたします!!